修造画報

室伏広治さん×松岡修造さん「大切なのは体を動かすこと。みなさんに楽しく行ってもらうことが課題です」

松岡修造の東京2020への道 届け!熱い思い

スポーツ庁長官の室伏広治さんはハンマー投げの金メダリストで日本陸上界のレジェンド。旧知の間柄の松岡さんが「年下に思えない」というのもうなずける貫禄の持ち主です。現役時代から互いを知る二人の対談は終始リラックスムード。室伏さんが「ぜひ、定期的にアドバイスにきてください」とリクエストする一幕もありました。

*『家庭画報』2021年3月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。本取材は感染予防対策を徹底して実施しました。

松岡さんと室伏さん

霞が関のオフィス街を走る身長188センチの松岡修造さんと187センチの室伏広治さん。急な“かけっこ”のリクエストに笑顔で応えてくださいました。さすがは元トップアスリート! 松岡さん・スーツ、シャツ、ベルト、靴/紳士服コナカ

第30回
スポーツ庁長官 室伏広治さん

室伏さん

室伏 広治さん KOJI MUROFUSHI
1974年静岡県生まれ。中京大学大学院修了。ハンマー投げ選手として「アジアの鉄人」と呼ばれた父・重信さんに導かれ、ハンマー投げの才能を開花。自己最高記録84メートル86センチは世界歴代4位。オリンピックはシドニー、アテネ、北京、ロンドンの4大会に出場し、2004年のアテネ大会では金ダルを獲得。14年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 スポーツディレクターに就任。20年10月よりスポーツ庁長官。東京医科歯科大学特命教授でもある。

交渉術が磨かれたスポーツディレクター時代

松岡 今日はスポーツ庁のお話を伺う前に、前職の(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)スポーツディレクターのお話を少しお聞かせください。とてもお忙しかったようですが、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

室伏 主にオリンピック33、パラリンピック22の競技団体との調整を担当していました。ベニュー(会場)決めをはじめ、何事も競技団体の承認なしには前に進みません。施設の下見には必ず立ち会い、合意点を見いだせるよう尽力しました。

松岡 大変なお仕事ですね。室伏さんはこれまでも国際オリンピック委員会のお仕事などをされていますが、海外の人との交渉はどういったことが大事になりますか。

室伏 日本では理論立てて交渉しますが、海外では映像を見せたほうが早い場合もあります。国によってかなり違うので、相手に合わせて交渉方法を変えることも必要ですね。

松岡 柔軟な対応が求められるのですね。海外の人に比べると、日本人は僕も含めて断るのが苦手な人が多いと思うのですが、そのあたりはいかがですか。

室伏 そうですね。断ったり、ノーというときほど、丁寧に誠意を尽くすようにしています。あとはやはり、日頃から信頼関係を築いておくことが大事だと思います。IF(国際競技連盟)のフォーラムに出席するときは、会議以外の時間にできるだけ多く、2日間で30ほどの競技団体とミーティングをしていました。たいして用事がなくてもです。「我々のことをちゃんと考えてくれているんだな」とわかってもらえれば、何かあったときでも、それほどひどい状況に陥ることはないと思うんですけどね。

松岡 なるほど!

室伏 6年半で人脈も広がりましたし、貴重な経験をさせてもらいました。今後に生かしていきたいです。

スポーツ庁最大の任務は国民の健康増進!
「明るくて感動していただけるスポーツ界にする。それがテーマです」── 室伏さん

松岡 そして、2020年10月、鈴木大地さんの後を継いで、スポーツ庁長官に就任されました。長官としてのテーマをお聞かせいただけますか。

室伏 「明るくて感動していただけるスポーツ界にすること」です。スポーツは本来、する人も観る人も支える人も、みんなが喜びを感じられるものですよね? 世の中に明るさや元気、感動をもたらすのがスポーツだと思っています。

松岡 素晴らしいです。お仕事の内容を教えていただけますか。

室伏 スポーツ庁には7つの課があって、あらゆる側面からスポーツを振興しています。競技スポーツの選手強化への支援やドーピング防止活動の推進などももちろん大切な仕事ですが、一番は国民のみなさんのスポーツを通じた健康増進です。日本の医療費は年々増加していて、2018年度は過去最高の43兆3949億円でした。コロナ禍による運動不足で多くの高齢者が歩く力を失いつつあるという問題もあります。そのほかにスポーツ施設の充実やスポーツツーリズムといった仕事もあり、大きなやりがいを感じています。

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