修造画報

山中伸弥さん×松岡修造さん、京都と東京でのオンライン対談が実現!

松岡修造の東京2020への道 届け!熱い思い

新型コロナウイルスによる現在の緊急事態をどう理解し、乗り越えていけばいいのか。東京2020オリンピック・パラリンピックは本当に来夏開催できるのか。「確かな情報を日々発信されている山中先生に伺い、読者のみなさんに伝えたい」という松岡修造さんの熱意に山中伸弥さんが応え、緊急対談が実現しました。感染予防のため、京都と東京に分かれたまま行われたオンラインでの対談は、今を前向きに生きるための大切なメッセージが詰まっています。

※『家庭画報』2020年7月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。本対談は2020年4月23日に、感染予防対策を徹底して行いました。

松岡さんと山中さん

対談後、珍しい形でツーショットを撮影。画面越しながら、この日初対面を果たしたお二人は、偶然にも揃って青いネクタイでした。*本対談は2020年4月23日に、感染予防対策を徹底して行いました。松岡さん・スーツ、シャツ、チーフ/紳士服コナカ

第23回
京都大学iPS細胞研究所所長・教授 山中伸弥さん

山中さん

真剣な眼差し、丁寧な受け答え。同じ空間におらずとも、山中さんの誠実な人柄はしっかり伝わってきました。

山中 伸弥さん SHINYA YAMANAKA

1962年大阪府生まれ。京都大学iPS細胞研究所所長。87年に神戸大学医学部を卒業後、大阪市立大学大学院で博士号を取得。米国グラッドストーン研究所留学、奈良先端科学技術大学院大学教授などを経て、京都大学教授に。2006年に世界で初めてマウスiPS細胞作製成功を発表、続いて07年にヒトiPS細胞作製成功を発表した。12年にノーベル生理学・医学賞を受賞。同年、文化勲章を受章。「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」www.covid19-yamanaka.com

今は人類にとって100年に1度の緊急事態

松岡 今日はお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

山中 こちらこそ、よろしくお願いいたします。修造さんの日めくりカレンダー、愛用しています。

松岡 うわぁ、ありがとうございます! 僕はこの緊急事態に「心はネバーロックダウン!」という感じで、なんとか前向きでいようと、山中先生のホームページを拝読しながら過ごしています。先生は本来、あまり表に出たいほうではないとご著書にも書かれていますが、その先生が連日、新型コロナウイルスの情報や提言を発信されているのは、なぜでしょうか。僕は使命感のようなものを感じるのですが。

山中 おっしゃるとおり、今はスペイン風邪以来、人類にとって100年に1度の緊急事態です。ともかく正しい情報を発信しなければ大変なことになるという危機感を感じて、3月の中頃にホームページを始めました。それからは、全力疾走しているつもりです。

松岡 本当に頭が下がります。先生は日本の現状をどうとらえていらっしゃいますか。踏ん張っていると考えてよいのでしょうか。

山中 踏ん張っていると思います。日本は2月末に世界のなかでもいち早く、休校やイベントの自粛を要請して、いいスタートダッシュを切ったと思うんですね。ところが、3月の連休あたりで気が緩んでしまって、感染者がかなり増えてしまいました。それでも、ニューヨークやヨーロッパの一部の国のような危機的状況にはなっていませんので、どうにか持ちこたえているといっていいと思います。

松岡 どうにか、なのですね。科学ではエビデンス(証拠)というものが非常に大事だと思うのですが、今はエビデンスが100パーセントでなくても積極的な対策を取るべきだと、先生は考えられているそうですね。

山中 はい。今はエビデンスを待って行動しようとすると後手後手になりますから、エビデンスがなくても厳しめな対策を取らなければなりません。人間には、「やっての後悔とやらなくての後悔」があると思うのですが、この新型コロナウイルスに関しては、「あのとき、もっと厳しい対策を取っていれば」という、やらなくての後悔は、取り返しがつかない事態を生むと思うんです。

松岡 そうならないためにも、僕らの行動の指針となる「山中先生エビデンス」のようなものはないでしょうか。

山中 まず、このウイルスが1〜2か月で消滅するものではないということは確かです。僕がホームページを始めた頃は、ほとんど誰もそういうことをいっておられなかったので、僕も発信するのに勇気がいりましたが、今はみな長期戦と考えています。僕は新型コロナウイルス対策は長いマラソンだといっているのですが、この先、走るスピードを少し緩めることはできても、以前のように何でも自由にできる社会にはなかなかならないと思っています。少なくとも1年くらいの長期戦は覚悟しておいたほうがいいでしょう。

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