修造画報

日本の食材、生産者、料理人——世界中から集まる選手のために“食のALL JAPAN”で臨みます/帝国ホテル特別料理顧問 田中 健一郎さん

最大の武器はホテルで培った「逆算力」

松岡 ところで、今回のお仕事にも通じると思うのですが、披露宴や宴会で同じ料理を同時に大人数に提供するというのは、難しいことではありませんか。それを可能にしているのは何なのでしょう。

田中 逆算です。私は13年間宴会部門のシェフを務めましたが、大安や友引で宴会場がすべて埋まった日は1日で1万5000から2万皿の料理を作りました。そのすべてを最高の状態でお出しするには、最適なタイミングで温めたり冷やしたりしなければなりません。そのときに必要なのが逆算なのです。

松岡 なるほど!逆算はスポーツでも重要です。勝つためにここに打ちたい、それにはこういう回転をかければいい。具体的にイメージできれば、あとはなぞるだけです。

田中 同じですね。その日の宴会場全部の予定を見渡してイメージし、料理を出す時間、そのためにいつどの作業をするかを、緻密に逆算していきます。宴会料理は最初に1分計算を間違えると、最終的に30分の誤差が生まれますから、逆算は非常に大事です。電車のダイヤを組むのに似ているかもしれません。

松岡 まさに緻密な作業ですね。その逆算力と実績があれば、選手村の4万5000食についても、不安がなさそうですね。

田中 はい。量的なことは心配していません。

松岡 頼もしいです。暑さ対策はいかがですか。

田中 暑さは難題です。あと、台風も懸案事項の1つです。今年の夏のように、大会期間中に大きな台風が発生してしまった場合、物流が止まって野菜などの食材が届かなくなってしまいます。そのときのために備蓄するのかといったことも、今考えているところです。

松岡 それも一種の逆算ですね。

田中 そうですね。あらゆる可能性を考えて準備を進めています

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