修造画報

日本の食材、生産者、料理人——世界中から集まる選手のために“食のALL JAPAN”で臨みます/帝国ホテル特別料理顧問 田中 健一郎さん

アスリートの意見を取り入れた食堂に

松岡 料理の内容については、何を大事にされていますか。

田中 とにかく、「アスリートファースト」。選手のみなさんが最高のコンディションで最高の記録を残していただけるよう、食でサポートすることです。猛暑の時期なので、食の安全、衛生面も重視しています。

メニューの作成にあたって大変参考になったのが、高橋尚子さんがオリンピアン、パラリンピアンのかたがたにお願いしてくださったアンケートの回答です。今までの大会でよかったこと、悪かったこと、2020年に何を望むか。貴重な意見がたくさん寄せられました。

松岡 なるほどと思われたのは、どのような意見ですか。

田中 本当に選手が欲しいもの、たとえば、すぐに栄養が補給できるスムージーのようなドリンクがないという意見です。

松岡 選手の生の声は貴重ですね。

「勝つため、癒やされるため、食堂は選手たちにとって大事な場所です」──松岡さん

松岡 そのほかには何かありましたか。

田中 ほかには、料理の内容を聞けるインフォメーションがあると助かるとか、自分たちでステーキの味つけができるようにスパイス類をたくさん揃えてほしいとか。カジュアルダイニングについては、食以外でも日本らしさを演出してほしいという声がありました。ほおずきやぼんぼりを飾るなど、できることはいろいろあると思っています。

松岡 いいですね。アスリートは勝つために食べるものですが、それが楽しければなおいい。大きなプレッシャーがかかっている中で、癒やされたり、楽しい気持ちになれる何かがあれば、必ずいいパフォーマンスにつながっていきます。

田中 食堂がそういう場になることを願いながら、選手村メニューアドバイザリー委員会のメンバーである、アスリートのみなさん、スポーツ栄養学の先生、そして、私たち料理人が話し合いを重ねています。

2019年11月にはケータリング業者が委員会の意見を反映して作成したメニューがIOCの承認を得る予定です。そこからが我々料理人の出番で、食材調達や試作、試食が始まります。

松岡 大変そうに思えますが、田中さんは楽しそうに話されますね。

田中 楽しいですよ!おいしいものを提供して世界中のかたがたに喜んでいただくことほど、料理人冥利に尽きることはありませんから。今まで積み重ねてきた経験を生かせれば、本当に嬉しく、ありがたいことだと思います。

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