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【病院長インタビュー 聖路加国際病院 福井次矢先生】指標で医療の質を測り、安心と信頼を提供

2020.09.23

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【連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 創立以来、聖路加国際病院はキリスト教の博愛精神のもと患者中心の診療と看護を実践してきました。その伝統を守りつつ、近年は指標を用いて「医療の質」を測り、科学的な観点からの改善にも取り組んでいます。一般の人には知られていないこの活動を中心に、聖路加国際病院の安心と信頼の基盤、次なる目標についてご紹介します。記事一覧はこちら>>

第6回
指標で「医療の質」を測り、安心と信頼を提供
聖路加国際病院 病院長
福井次矢先生


福井次矢 先生


聖路加国際病院 病院長
福井次矢(ふくい・つぐや)
1951年、高知県生まれ。76年、京都大学医学部卒業。聖路加国際病院にて内科研修。84年、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。佐賀医科大学(現・佐賀大学医学部)教授、京都大学大学院医学研究科教授等を歴任し、2005年より現職。12年より聖路加国際大学理事長を兼務。16年、理事長を退任し同大学学長に就任(20年退任)。総合診療、EBM(根拠に基づく医療)の普及に尽力し、日本初となる公衆衛生大学院の創設も主導。

キリスト教の博愛精神のもと患者中心の診療と看護を実践


聖路加国際病院の歴史は、1901年、米国聖公会が派遣した宣教医師のルドルフ・B・トイスラー博士が外国人居留地だった東京・明石町の病院を買い取ったことから始まります。

以来、「キリスト教の愛の心」のもと、患者中心の診療と看護を実践してきました。それは創設から1世紀余りを経た現在も色褪せることはありません。

「投書箱や相談窓口を通して寄せられた患者さんの要望や苦情を確認し対応策を指示することが毎朝の日課です。病める人々に寄り添う医療に取り組むうえで、私がとても大切にしていることです」と病院長の福井次矢先生は語ります。

「キリスト教の愛の心」を守り継ぐ

〔創設者・トイスラー博士が示した「キリスト教の愛の心」を守り継ぐ〕創設者のトイスラー博士が87年前(1933年)に書き上げたMission Statement(病院の業務目的)が現在も揺るぎない病院の指針となっている。

一方で、“生きた有機体”とトイスラー博士が定義したこの病院は、自ら変革し続けてもいます。

なかでも特筆すべき活動は「QI(Quality Indicator)プロジェクト」です。これは構造、プロセス、アウトカムという3つの側面からQI(指標)を用いて医療の質を測り、PDCA(Plan→Do→Check→Act)サイクルによって改善を図る方法です。

厚生労働省の補助事業にも取り上げられ、今では国内1000軒程度の病院で実施されているものですが、その先鞭をつけたのが聖路加国際病院なのです。

断らない救急

〔救急の対応と診療体制を見直して年間1万台以上の救急車を受け入れる〕「断らない救急」を実現するために救急部の報告を義務化し院内の診療体制を見直して、年間1万台以上の救急車を受け入れるように。写真提供/聖路加国際病院

2005年の病院長就任と同時に同プロジェクトを開始した福井先生は、EBM(根拠に基づく医療)をこの国に根づかせた功労者の1人で、医療の質改善における第一人者です。

先生が並々ならぬ思いで取り組んできた甲斐あって同プロジェクトは国際的にも高く評価され、15年には国際病院連盟会長賞を受賞しました。

しかし、福井先生は「真剣に取り組めば取り組むほど医療の質と患者安全の改善は“終わりのない旅”であることを実感しています」と語り、近年はこの活動を2000人の職員1人1人に浸透させるべくボトムアップの組織文化を作り上げることに注力しています。
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