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「隠れ病気」をどうとらえるか。“病気らしいもの”が見つかってしまったら

2018.06.22

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お医者さまの取扱説明書 総合内科医の尾藤誠司先生に、患者と医師の良好コミュニケーション術を教わります。記事一覧はこちら>>
呪文のように繰り返され、私たちにインプットされている「早期発見・早期治療」の重要性。しかし、検査技術の発達とともに可能になった、早すぎる病気の発見に戸惑うこともしばしばです。

心配しすぎず油断もせず、早期発見の結果を適切に生かすための、医師とのコミュニケーション法を伺います。

尾藤誠司先生


尾藤誠司(びとう・せいじ)先生
1965年、愛知県生まれ。岐阜大学医学部卒業後、国立長崎中央病院、国立東京第二病院(現・東京医療センター)、国立佐渡療養所に勤務。95年〜97年UCLAに留学し、臨床疫学を学び、医療と社会とのかかわりを研究。総合内科医として東京医療センターでの診療、研修医の教育、医師・看護師の臨床研究の支援、診療の質の向上を目指す事業にかかわる。著書に『「医師アタマ」との付き合い方』(中公新書ラクレ)、『医者の言うことは話半分でいい』(PHP)ほか。

脳内にわずかな死滅細胞。隠れ脳梗塞か、年相応か


早期発見・早期治療によって多くの人が命拾いをしている一方で、病気ともいいきれないわずかな異変が見つかり、対応に戸惑うケースも起きています。何の症状もなく、放っておいても問題がない可能性も高いのに、不安だけが生じ、定期検査に時間を取られる、薬を飲むはめになるなど納得のいかない負担が増えることもしばしば――。

しかし、わざわざ受けた検査でせっかく見つかった初期の異変を、「知らなければよかった」で終わらせるのはあまりにもったいない。尾藤誠司先生は、「検査でごく初期の病気が見つかったときの患者さんの受け止め方や、医師とのやりとり次第で、早期発見に伴って起こりがちな不利益を利益に変えることができます」といいます。

たとえば、隠れ脳梗塞。自覚症状はないけれど脳の画像検査で死滅細胞が認められる状態を指します。いきなり「隠れ脳梗塞があります」といわれれば誰もが動揺し、いつ姿を現すのだろう、隠れているうちに何とかしなければ……と心中穏やかではいられないものです。しかし、意外にも医師はこの状態をさほど深刻にとらえていません。

「ある程度の年齢になれば誰の脳にも微細な死滅細胞は存在し、MRI画像にも映ります。MRI検査は主治医ではなく放射線科医が行う場合が多いのですが、放射線科医が読影し、客観的事実として“微細な死滅細胞あり”などと記載したカルテを見た主治医が、患者さんに隠れ脳梗塞と伝えるか年相応と伝えるかの差は、はっきりいって紙一重。医師は、ほとんどの隠れ脳梗塞をその程度の重みととらえています」

とはいえ、隠れ具合は人それぞれ。程度を正しく知るためには、同年代の平均的な脳と比べて自分の状態はどうなのかを主治医に確かめるとよいでしょう。
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