〔特集〕進化するラグジュアリー化粧品で私史上、最高の美肌へ 生命科学研究や再生医療の日進月歩の発展に伴い、スキンケア化粧品もめざましい進化を遂げています。ラグジュアリー化粧品においては、加齢による衰えを防ぐのはもう当たり前。先進のレシピで肌の潜在能力を引き出し、過去のどんなときよりも美しく健やかな肌を手に入れることすら、現実のこととなってきました。
前回の記事はこちら>>・
特集「最先端美容」の記事一覧はこちらから>>
2025年 化粧品業界“3大知見”【美容医療発想】
肌の鎮静メカニズムに着目した処方開発への挑戦
──ヘレナ ルビンスタイン
[お話を伺った人]
ヘレナ ルビンスタイン サイエンティフィック ディレクター
オードレー・ゲニッシュさん
世界的にニーズが高まる美容医療施術を受ける方にも
日常のスキンケアは大切です
美容クリニックでのMFUやRFの治療など、メスを使わない美容施術が、世界中で高い人気を集めています。
ただ、その基本メカニズムは、真皮や肌の深い層に熱エネルギーでダメージを与え、傷を治すためにコラーゲン産生など組織の再生力が高まるのを狙うというもの。肌表面には現れていなくても、深層はダメージを受けているのです。
「美容施術を受ける方にとっても、普段のスキンケアは重要です。そのため、私たちの研究所では、肌の鎮静メカニズムに着目した処方の開発に取り組んでいます。そして、次世代のスキンケア製品を開発するためだけでなく、基礎研究の最前線に立ち続けるためにも、まだ見ぬ新技術の開発に挑戦しています」と、ヘレナ ルビンスタイン サイエンティフィック・ディレクター、オードレー・ゲニッシュさんは話されます。
「この問題を解決するためにディオール研究所は“OX‒C トリートメント”を開発しました。この新テクノロジーは酸素が効率よく細胞内に届くよう強力にサポートし、肌の再生や修復に十分な量のATP産生を可能にします」
加齢によるエイジングサインにアプローチ
肌の老化とは、肌の再生力が低下して日々のダメージを修復しきれず、シワやたるみに繫がってしまうこと。美容施術後の肌とは多くの共通点があります。
「一般的に、プロキシレン(*1)は表皮細胞の分化やヒアルロン酸の働きを助け、真皮ではコラーゲンなど多様なたんぱく質の合成を促して、ダメージを受けた組織の再生にアプローチします。これはエイジングケアだけでなく、美容施術派の方の毎日のスキンケアにとっても重要です。
ヘレナ ルビンスタインは、ウォーターinオイル処方骨格を採用し、6段階の処方ステップによってマイクロ化することにより、プロキシレンを1滴ずつ配合しブレンドしていくことで50パーセントもの高配合(*2)に成功しました」
*1 ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、PG、水(整肌成分)
*2 ヘレナ ルビンスタインにおいてヒアルロン酸のレセプター
CD44たんぱく質の発現を促進する
プラセボ(偽薬)を投与CD44は細胞の接着や細胞間コミュニケーションを司る重要なたんぱく質ですが、加齢により減少し老化を加速させます。
プロキシレンを投与プロキシレンを皮膚細胞に与えると、CD44が有意に増加。さまざまな機能が向上することで、ハリや弾力が高まります。
CD44=グリコサミノグリカンのレセプターであるCD44たんぱく質
出典:CD44 immunostaining on skin biopsy from clinical study Eur.J.Dermatol, 2011
CD44たんぱく質蛍光強度の定量分析

CD44たんぱく質がプロキシレンによって2倍以上に。
出典:CD44 immunostaining on skin biopsy from clinical study Eur.J.Dermatol, 2011
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)