〔特集〕進化するラグジュアリー化粧品で私史上、最高の美肌へ 生命科学研究や再生医療の日進月歩の発展に伴い、スキンケア化粧品もめざましい進化を遂げています。ラグジュアリー化粧品においては、加齢による衰えを防ぐのはもう当たり前。先進のレシピで肌の潜在能力を引き出し、過去のどんなときよりも美しく健やかな肌を手に入れることすら、現実のこととなってきました。
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2025年 化粧品業界“3大知見”【再生力】
加齢に伴う肌呼吸の低下を改善し再生力を高めることに成功
──パルファン・クリスチャン・ディオール
[お話を伺った人]
パルファン・クリスチャン・ディオール サイエンティフィック コミュニケーションディレクター
ヴィルジニー・クトゥローさん
©vanni basserti
息切れ状態の皮膚細胞に酸素を届ける革新的なテクノロジーを開発しました
私たちはたった数分息ができないだけで意識を失い、死の危険にさらされます。これは酸素なしでは生命エネルギーATPがつくれず、生命活動が停止するため。もちろん肌にとってもATPと、そのための酸素は必要不可欠です。
パルファン・クリスチャン・ディオールのヴィルジニー・クトゥローさんによると、「ナノサイズのコラーゲン線維1本の生成にも、ATP分子1万2600個が必要とされています。また私たちの研究では、20歳と40歳で線維芽細胞の呼吸が37パーセント、細胞内ATP産生が28パーセントも低下することが明らかとなっています」。
ATP産生が減少すれば、当然、再生活動も停滞します。

「この問題を解決するためにディオール研究所は“OX‒C トリートメント”を開発しました。この新テクノロジーは酸素が効率よく細胞内に届くよう強力にサポートし、肌の再生や修復に十分な量のATP産生を可能にします」
皮膚細胞が生命エネルギーに溢れ輝きに満ちた肌が再生されます
これまでATP量を増やすためには産生機能を高めて量を増やすアプローチが主流でしたが、これは悪玉の活性酸素をも増やしてしまう危険が。かえって老化が加速するリスクを伴いました。
「“OX‒C トリートメント”は酸素を肌に送り届けるプロセスを正しく活性化するので、むしろ57パーセントもの抗酸化効果が得られています。これはとても重要で、科学専門誌にも掲載されました」
と、クトゥローさんの説明も熱を帯びます。
「十分な酸素が供給され、必要な量のATPがつくられると、細胞機能にドミノ効果をもたらし、さまざまなレベルで肌に好影響を与えます。表皮や真皮の細胞が十分に再生され、生産的な働きを高めるので、ハリや輝きは飛躍的に向上し、シワが軽減されることに。さらに“OX‒C トリートメント”の効果について、表皮幹細胞に対しても、現在、京都大学iPS細胞研究所とともに解明を進めています。表皮幹細胞の呼吸の改善にも影響を与えることが予測されていて、実証結果がまとめられるのを心待ちにしているところ。未解明だった重要な働きが、新たに明らかにされることと思います」
(次回に続く。
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