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閉経や加齢が大きなリスクに。「骨粗しょう症」の原因と起こりやすい部位

2021.12.10

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withコロナ時代の健康術 第12回(02) withコロナの新しい生活様式で生きなければならないこの時代に、50代以降から衰えやすくなる器官や機能を取り上げ、健康を保つための方法を紹介します。今回は「骨の貯金」をテーマに能瀬さやか先生にお話を伺いました。前回の記事はこちら>>
〔解説してくださるかた〕
東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科医、日本産科婦人科学会専門医
能瀬さやか(のせ・さやか)先生

●前回の記事
骨粗しょう症は閉経前後からリスクが高まる! 女性ホルモンと骨の関係>>

骨量は成長期に急激に増え、20歳頃にピークを迎える


骨の土台は骨細胞で、そこにカルシウムが付着しています。内側には海綿質と呼ばれるスポンジ状の部分があり、さらに奥の中心部の空洞には骨髄があって、ここで血液が作られています。

成長期には骨の末端近くにある骨端線に軟骨細胞が存在しており、この軟骨細胞が増えることで骨が長くなり、身長が伸びます、思春期が終わる頃には、この軟骨細胞が骨細胞に置き換わり、骨の成長が終了します。

また、成長に伴い、骨の密度も高くなります。こうして全身の骨の量は20歳頃にピークを迎えます(下グラフ参照)。

この骨量を増やすために女性ホルモンのエストロゲンが大きな役割を果たしているのです。




骨量は20歳がピーク「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版」をもとに作成

骨量は成長期に急激に増え、20歳頃でピークになる。その後、ゆるやかに減少し、閉経後にはそれが加速する。

骨量が知らず知らずのうちに減り、骨粗しょう症になると、転倒したときなどに骨折するリスクが高まる。一方、若い時期の無月経や月経不順も影響が大きい。

「私たちの研究では、10代で1年以上月経が止まったアスリートは20代で低骨量や骨粗しょう症と診断されるリスクが高いことが明らかになりました。また、10代で低骨量があると4.5倍疲労骨折のリスクが高くなります。その場合、薬物や運動、栄養指導で治療しますが、同年齢の女性の平均的な骨量までは回復せず、骨折の危険を抱えたまま過ごすことになります」




破骨細胞が骨を壊す活動を女性ホルモンが抑えている


骨は大人になっても常に作り替えられています。意外な感じがしますが、骨の表面にある、骨を作る骨芽細胞と、古くなった骨を壊して吸収する破骨細胞のそれぞれの活動がバランスよく行われることで、丈夫な骨が保たれているのです(折れた骨がくっつくときにも、壊れた骨を破骨細胞が吸収し、骨芽細胞が新しい骨を作っています)。




骨は常に作り替えられている骨の周囲や内部には骨を作る骨芽細胞と骨を壊して吸収する破骨細胞があり、バランスをとりながら働いて骨を作り替えている。

破骨細胞が活発に活動する骨吸収期では古い骨の部分(古い骨基質)が破骨細胞によって破壊、吸収される。そして、破骨細胞の活動が一段落すると、骨芽細胞が活動して新しく骨のもと(新しい骨基質)が作られる(骨形成期)。

骨芽細胞は破骨細胞が吸収した骨と同じ量の骨を作ると活動を停止し、成熟して骨細胞に変化。新しい骨基質はやがてさらに硬くなって古い骨基質になる。

女性ホルモンのエストロゲンは破骨細胞の働きを抑えている。そのため、エストロゲンの分泌が減少する閉経後には骨吸収が進みやすくなり、骨密度が低下して骨量が減る。




エストロゲンは破骨細胞の働きを抑える作用を持っています。そのためエストロゲンは骨の量を増やす、あるいは保つ鍵となっています。

逆にいえば、更年期や閉経以降のエストロゲンの分泌が減った時期には、海綿質がスカスカになる骨粗しょう症が起こりやすくなるのです。

「運動量に見合った食事がとれていないと、利用可能なエネルギーが不足し、無月経になります。生涯で最も骨量が増える時期の10代で無月経になるとエストロゲンの分泌が低下するため、骨量のピークが低くなります。そこに閉経や加齢が重なると骨粗しょう症のリスクがさらに高まります」(能瀬先生)。
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