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他人を思いやる気持ちは、自分自身に優しさを向けることから生まれる

2021.11.12

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精神科医の禅僧が贈る「幸せ力を高めるマインドフルネス」第11回(前編) 「自利」とは自分に優しさを向け、自分を大切にする心。それがあれば、他者の幸せを願う「利他」の心が自然に生まれる、と川野泰周さんは強調します。そして語り始めたのは、禅の源である仏教の誕生物語。お釈迦様の修行のストーリーが、自利・利他といったいどのように結びつくのでしょうか――。前回の記事はこちら>>

「自利」が「利他」を生み、感謝の心を広げる
自分を大切にできる人は自ずと他者の幸せを願う


こんなあなたへ
●何かをしてあげたのに感謝されないと悲しくなる。
●迷惑をかけて申し訳ない、と罪悪感にさいなまれる。
●自分のことで精一杯。他人を思いやる余裕がない。


〔お話ししてくれたのはこの方〕
川野泰周(かわの・たいしゅう)さん

川野泰周さん

臨済宗建長寺派林香寺住職、精神科・心療内科医、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック副院長

自分に優しくすることから悟りを開いたお釈迦様


熊

写真/アフロ

マインドフルネスは、仏教から派生した禅と多くの共通点があります。今回はまず仏教のはじまり、すなわちお釈迦様の修行の物語をご紹介したいと思います。

29歳で出家したお釈迦様(ゴータマ・シッダールタ。後のブッダ)は、生老病死の苦しみに対する答えを求めて苦行に打ち込みました。灼熱の暑さや凍り付く寒さに晒され、茨(いばら)の上を転げまわって痛みに耐え、断食や息を止めるなど想像を絶する苦しみに6年間耐え続けましたが、悟りを開くことができません。

疲れ果て、苦行に見切りをつけたお釈迦様は川で沐浴をして身を清め、木陰で体を休めました。そして村娘のスジャータが捧げる乳粥を飲み、自身を労(ねぎら)います。癒やしを得たお釈迦様は菩提樹の下で坐禅を始め、7日間坐り続けた後、ついに悟りを開き35歳でブッダ(「悟った人」の意味)と呼ばれるようになったのです。

つまりブッダの教え(仏教)は、自分に優しさを向ける自利の心から生まれたといえます。ブッダは80歳で亡くなるまでの45年間、困っている人の「抜苦与楽(ばっくよらく)」のために教えを説いて回りました。後半の人生は、自利によって気づくことのできた世の中の真理を、人を助け人のために役立てる「利他」に費やしたのです。

このお話は、マインドフルネス(今ここにおける体験や感覚に注意を向け、「よい・悪い」自分に優しくすることから悟りを開いたお釈迦様の価値判断を挟まず、あるがままに受容する心の状態)が育む生き方のスタンスに通じると私は考えています。
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