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写真×音楽、映画のようなパリ。写真展『写真家ドアノー/音楽/パリ』

2021.02.18

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〔今月の美術〕
『写真家ドアノー/音楽/パリ』

「ありふれた光景も角度や時間によって美しさを放つことができる」と語ったフランスを代表する写真家ロベール・ドアノー。

パリの街を日々歩きながら、人々のいきいきとした瞬間を撮影し続け、1994年に82歳で没した。

ドアノー


《ロベール・ドアノーのセルフポートレート》ヴィルジュイフ 1949年 ロベール・ドアノー作品。ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact

そんな彼の数ある作品のなかから、パリの街と音楽にまつわる約200点の写真を集めた回顧展が開催される。

昨秋に93歳で他界したフランスの国民的シャンソン歌手、ジュリエット・グレコの若き日、20世紀最高のソプラノ歌手の一人、マリア・カラスがレコーディングの合間に見せた穏やかな表情、イヴ・モンタン、エディット・ピアフ、親友でもあった詩人・作家のジャック・プレヴェールらの写真も。

《サン= ジェルマン= デ= プレのジュリエット・グレコ》

《サン= ジェルマン= デ= プレのジュリエット・グレコ》1947年 ロベール・ドアノー作品。ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact

どれも映画のワンシーンのよう。写真家ドアノーと、音楽家や作家との心通うコラボレーションといえる。

また、精肉店の男が、流しのピエレット・ドリオンが演奏するエレジー(哀歌)に聴き入る場面を写した写真もある。男は仕事を抜けてきたのだろう。市井の人々にも温かい眼差しを注いだドアノーの人柄もにじむ一枚だ。

精肉店

《音楽好きの肉屋》パリ 1953年2月 ロベール・ドアノー作品。ゼラチン・シルバー・プリント ©Atelier Robert Doisneau/Contact

この展覧会を監修したのは、ドアノーの孫で、ジャーナリスト・美術史家のクレモンティーヌ・ドルディル。少女時代からドアノーに連れられ、握手や対話から始まる撮影現場も見てきた人だ。

「祖父の写真は私たちの笑いを誘い、夢を見させ、希望を抱かせてくれます」と語る。

旅に出ることが難しい今、パリの空の下に流れる音楽に耳を澄ませるような気分で巡りたい。

『写真家ドアノー/音楽/パリ』

※最新の情報は、公式サイトでご確認ください。

Bunkamura ザ・ミュージアム
~2021年3月31日
休館日:無休
入館料:一般1500円
ハローダイヤル:050(5541)8600
展覧会の詳細はこちら>>
※3月20日・21日・27日・28日に限り日時予約制
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/白坂由里

『家庭画報』2021年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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