私たちの心に寄り添うチャイコフスキー
2020年に生誕180周年を迎えたピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893年)。時に甘く、時に悲しく、深く、語りかけるその音楽は、子どもから大人まで聴く者の心をとらえて離しません。本特集では、彼が生前暮らした家や資料、チャイコフスキーに魅了されたかたがたの言葉から、チャイコフスキーの心の奥底、その音楽の真髄に迫ります。
(1)最後に辿り着いた安住の地、クリン
自然をこよなく愛していたチャイコフスキーは大都会モスクワから離れ、52歳の時クリンに落ち着きました。晩年の傑作、「交響曲第6番」はこの家で書き上げられました。続きはこちら>>
(2)フォン・メック夫人と交わした1220通の書簡
チャイコフスキーが38歳から本格的に作曲に専念できるようになった背景には、フォン・メック夫人からの支援があります。「チャイコフスキーにとってフォン・メック夫人は心の中を打ち明けられる親友、母親、そして時には彼の懺悔を聞く告解師的な存在でもありました」。続きはこちら>>
(3)貴重なポートフォリオから知る。チャイコフスキーの日常と19世紀後半のロシア
作曲家チャイコフスキーはどのような人々に囲まれ、どんな生活を送っていたのでしょうか。当時最新だった写真から、その素顔や19世紀後半のロシアの風景が見てとれます。続きはこちら>>
(4)「哀歌と民謡こそが真髄」小林研一郎さん(指揮者・作曲家)
チャイコフスキーは心情がただちに音に反映された人だと思います。白い雪が吐血で真っ赤に染まる様、凍えるような荒野に響く悲鳴、地獄からの声、彼はそれを音にできるのです。最高の魅力はエレジー(哀歌)です。私自身エレジーを指揮している時、チャイコフスキーの心に入っていける気がしています。続きはこちら>>
(5)「色彩豊かなドラマに毎回心躍らせて」千住真理子さん(ヴァイオリニスト)
チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」、これほど色彩豊かなドラマを感じて弾ける曲はないと思います。出だしから自分が主人公になった気分で興奮したり、感動したり、嘆いたり、毎回新しいドラマを感じながら弾いています。続きはこちら>>
(6)「甘美で豊潤な響きに浮かぶロシアの情景」藤田真央さん(ピアニスト)
チャイコフスキーはどの作品にも甘美なメロディが溢れ、舞踊的なリズムや民謡のモティーフも生かされていて、楽譜を開いているだけでロシアの情景が見えてきます。続きはこちら>>
(7)「『くるみ割り人形』ほどダンサーの力を引き出す曲はない」斎藤友佳理さん(東京バレエ団芸術監督)
「チャイコフスキーの三大バレエ曲の中でも、最後の作品である“くるみ”は特にスコアも複雑で旋律が素晴らしい。お菓子の国でマーシャが王子と踊るグラン・パ・ド・ドゥのアダージョなど交響曲のようで、これをただのバレエ曲ですませてはいけないと思うくらいです」。続きはこちら>>
(8)各界著名人が語る「チャイコフスキーに魅かれる理由」
私がチャイコフスキーに魅かれる理由とは――。髙橋大輔さん、檀 ふみさん、茂木健一郎さん、宮本亞門さんが熱く語ります。続きはこちら>>
(9)音楽学者が語り合う「チャイコフスキー再発見」
音楽学者の一柳富美子さんと沼野雄司さんの対談を通じて見えてきた新たな発見とは?続きはこちら>>
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。