アート・カルチャー・ホビー

椎名桔平さん、ミステリの女王が生んだ名探偵役に挑む

〔今月の舞台〕

『オリエント急行殺人事件』

椎名桔平さん

シャツ/Education from Youngmachines (ラブレス青山)

「あの名探偵の役を僕が!?と、まず思いましたね」と椎名桔平さん。アガサ・クリスティの代表作を舞台化した『オリエント急行殺人事件』で、約2年ぶりに舞台に挑む。

演じるのは、乗車中の急行列車で殺人事件が起き、捜査に乗り出す名探偵ポアロ。列車は雪に閉じ込められた状態で、乗客全員が容疑者だが、皆アリバイがあり……という推理劇だ。

「小柄で小太りな原作どおりのポアロにはなれません。脚本に描かれた人物像をベースに、自分の素材を生かしたポアロを作っていくしかないなと思っています。ポアロの魅力は、窮地に陥っても動じず、客観性を失わないところ。若い頃は感情的になりがちだった僕も、滅多なことでは驚かなくなってきたので、そこを共通項として探っていければ。ただ僕の場合、いまだに舞台に立つ前は緊張するんですよ(笑)。まあ、そういう緊張感も含めて、多くのものをいただけるのが舞台。僕にとっては、まさに俳優修業の場です」

56歳とは思えぬ精悍さが漂う椎名さん。コロナ禍による活動自粛期間中も、家で体を動かしていたという。

「まったくやってこなかった料理も始めました。炒め物や、焼き魚に味噌汁、この間はハンバーグを作りましたよ。続けていると、少しずつ上手になってくる。芝居の稽古と一緒ですね(笑)」。

今回の稽古では、80年以上前に書かれた本作品を今上演する意味や、何を観客に届けられるかについても考えたいと話す。

「雪にはまって、いつ抜け出せるかわからないオリエント急行の状況は、見ようによっては、いつコロナ禍が収束するかわからない今の世の中と似ている気がするんですよ。そんな中、ポアロが提示する謎解きはお客さまにどう響くのか。結末をご存じのかたにも楽しんでいただけるような、魅力的な『オリエント急行殺人事件』を、演出の河原雅彦さんのもと、皆で作っていけたらと思います」

椎名桔平(しいな きっぺい)

1964年、三重県出身。93年の映画『ヌードの夜』で注目を集め、以降、俳優としてさまざまな作品で活躍している。

『オリエント急行殺人事件』

『オリエント急行殺人事件』

Bunkamura シアターコクーン
2020年12月8日~27日
S席1万1500円ほか
サンライズプロモーション東京:0570(00)3337
公式URL:https://www.orientexpress-stage.jp/

演出/河原雅彦、Agatha Christie MURDER ON THE ORIENT EXPRESS Adapted for the stage by Ken Ludwig
出演/椎名桔平、松井玲奈、松尾 諭、室 龍太(関西ジャニーズ Jr.)、本仮屋ユイカ、粟根まこと、宍戸美和公、中村まこと、マルシア、高橋惠子

表示価格はすべて税込みです。

取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/合田昌弘 ヘア&メイク/石田絵里子 スタイリング/野村昌司

『家庭画報』2020年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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