アート・カルチャー・ホビー

恋愛小説の名手が描く連作短編集。山田詠美『ファースト クラッシュ』

〔今月の本〕

『ファースト クラッシュ』

『ファースト クラッシュ』

山田詠美 著/文藝春秋

洒脱で誰からも愛される父親、温室で花を育てることが好きな上品な母親のもとで、何不自由なく育った高見澤家の三姉妹。

だが父親が、身寄りを亡くした少年・力(りき)を神戸から引き取ったことを機に、恵まれた一家に変化が生じる。

父親の愛人の子どもという、一家にとって複雑な存在でありながら、本人の意思とは別に人を惹きつける強い何かを放つ力。

それぞれのやり方で、力とつながろうとする麗子、咲也、薫子の三姉妹だけでなく、母親もまた夫を奪った女の息子に執心し……。

力の存在によって心をかき乱されていた頃を振り返る三姉妹の胸中の感情を、恋愛小説の名手が描いた連作短編集。その鮮やかなエンディングに胸がすく。

表示価格はすべて税抜きです。

『家庭画報』2020年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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