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きらめく装飾とともに女性の「生」を描く『クリムト展 ウィーンと日本 1900』

2019.06.17

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〔今月の美術〕

アッター湖畔のカンマー城Ⅲ

(c)Belvedere,Vienna,Photo:Johannes Stoll
《アッター湖畔のカンマー城Ⅲ》1909/10年 油彩、カンヴァス
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館蔵



ナビゲーター・文/林 綾野

19世紀末のウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト。没後100年を迎えた彼の展覧会が久しぶりに開催されている。

印刷物などで目にすることの多いクリムトだが、実際の作品が持つ存在感は圧倒的だ。塗り重ねられた色彩の重厚感。モザイクのように輝く金の絵の具。この画家の初期から晩年までの作品を見ることができるまたとない機会だ。

きらびやかな画面にあでやかな女性が佇む。クリムトの絵にそんなイメージを抱いている人も少なくないだろう。

この画家の特徴とは何かと考えるなら、それは「装飾的」であるということ。肖像画や壁画、風景画、どれを見てもため息が出るほど美しい。

そんなクリムトの絵の中でも、金をふんだんに使って描かれた「黄金様式」と呼ばれるスタイルがある。

今回の目玉作品の1つ《ユディトⅠ》は黄金様式時代の代表作で、油彩画に金箔を用いた最初の作品でもある。

ユディトは国を救うために敵将ホロフェルネスの首を切り落としたという旧約聖書外典に登場する美しき未亡人。クリムトは細長いカンヴァスに額縁まで自らデザインし、これ以上ないほどゴージャスにユディトを描き出している。

宝石をちりばめた金のチョーカー。敵の首を手に、胸をはだけたまま恍惚とした表情を浮かべる彼女。きらびやかで挑発的な画面に私たちは困惑する。彼女のむき出しの感情に恐れをなしながらもその美しさに惹かれてしまうからだ。
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