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宮本亜門さんの演出で新たに甦ったオペラ『金閣寺』が、東京に凱旋!

フランスでのワールドプレミエが大好評だったオペラ『金閣寺』


ミュージカル演出家としてデビューして30余年。2018年10月には黒澤明監督の名画を世界で初めてミュージカル化した『生きる』を演出、好評を博した。

昨春のフランスでのワールドプレミエが大好評だったオペラ『金閣寺』が、2月に東京で本邦初演を迎えます。原作は三島由紀夫の長編小説、作曲は黛 敏郎、そして演出は宮本亜門さん。初めて手がけた日本のオペラで、フランスデビューを果たした亜門さんに、本作品の魅力や演出秘話を教えていただきました。

――国内最大の声楽家団体・東京二期会とフランス国立ラン歌劇場の共同制作で実現した本企画。フランス公演は大成功だったと伺っています。

皆さん、三島由紀夫に飢えていたのかもしれません。特に『金閣寺』は、お芝居も含めてフランスでは未上演だった作品。公演前に行った簡単な講演会やシンポジウムでも質問がとても多くて、関心の高さを感じました。終演後も、たくさんの方、特に文学者の方から“沁み入った”と言われましたね。三島は、フランス文学を最も愛していた人。確かに、デカダンスで官能的なところ、淫靡で毒々しい耽美的な世界で、自分の肉体と精神をギリギリまで追い詰めていく感じは、フランス文学に通じますよね。きっとフランスの観客の皆さんは感じやすかったんじゃないかなと思います。

――亜門さんは、初代芸術監督を務めたKAAT神奈川芸術劇場の2011年のこけら落とし公演で、ご自身でも三島の『金閣寺』を舞台化しています。一人称の告白体で、コンプレックスを抱えた主人公・溝口の心情が綴られた原作小説のどこにいちばん惹かれますか?

実際に起こった金閣寺放火事件を題材にしながらも、描かれているのは、戦前、戦中、戦後と変わっていく社会を、溝口は一人の人間としてどう生きていけばいいのか?ということ。人の在り方みたいなものをテーマに、三島自身のことも描かれている気がして、そこに惹かれます。三島は、自分を追い詰めて作品を書いていた人だと思うので、舞台化する時は、演者も自分を追い詰めて、そこにある生と死がうごめく一度はまったら抜け出せないような闇を引っ張り出さないと嘘くさくなってしまう。そこが怖くもあり、面白いところですね。

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