アート・カルチャー・ホビー

才気を発掘し、育てる愉しみ。アートコレクター 山本誠一郎さんに聞く、現代アートの楽しさ

現代アート、才気発掘 第1回(全6回) 鑑賞することと、所有することとでは、アートの見える景色が違ってきます。“アートを自分ごと”にするための近道は、まず本物の芸術作品を所有してみること。アートをもっと身近なものにするために、新進気鋭のアーティストに注目し、発掘、そしてサポートしていく楽しさを紹介していきます。

アーティストの豊かな感性が、経営や投資に生きる

山本邸山本誠一郎さんの別荘にて、山本さん注目の若手アーティストの作品と。アーティストとコレクターを呼び、サロンを行うことも。
才気を発掘し、育てる愉しみ
コレクター 山本誠一郎さん(経営者・投資家・大学教授)

長年、金融業界の第一線で活躍する山本誠一郎さん。かつてニューヨークで8年ほど過ごした際、勤め先のすぐそばにMoMA(ニューヨーク近代美術館)があり、周囲にもコレクターが多くいたことから、現代アートが身近な存在になったといいます。

「本格的に購入し始めたのは帰国してから。小山薫堂さんの紹介で、現代美術家の椿 昇さんと出会ったのがきっかけでした」。

それから4年経った現在、コレクション数は120点ほどに増え、その多くが若手アーティストの作品です。

「私は『アートは問い』だと思っています。特に若手アーティストは、自分とは違う視点からなる世界観や宇宙観を持っているので、作品と対峙して『どういうことだろう』ともやもやした気持ちになれるのが楽しい。アーティスト本人と話ができる機会も多いのですが、彼らは本当に発想が豊かです。例えば『500年後に富士山が噴火して、その火山灰をかきわけて自分の作品が見つかったら……』というような話を真剣にする。

私たちが未来の話をするとしても、せいぜい10年、数十年先のことで、これだけ大きなスケールで物事を捉えることはなかなかないですよね。自分とは全く異なる感覚に、刺激を得ることばかりです」。
次ページに続く)

コレクション紹介(1)

椿 昇
Noboru Tsubaki(1953-)

椿 昇Google Impressionism_03 97×145.5cm

国内外で活躍する現代美術家。巨大バルーンを用いるなど、強いメッセージ性を含んだ作品を数多く手がける。

香月美菜
Mina Katsuki(1989-)

香月美菜0:34:57 100×50cm
300種類以上のブルーを生み出すブルーのマジシャン。「自宅やオフィスの壁に飾ると一気に気分が明るくなります」。

品川 亮
Ryo Shinagawa(1987-)

品川 亮あじさい 50×37.5cm
伝統的な日本の絵画に革新を起こしている旗手。「未来の巨匠。常に進化を目指している姿勢からも刺激を受けます」。

高瀬栞菜
Kanna Takase(1994-)

みえないことみないことみえないことみないこと 65.2×53cm

えらばせてえらばせて 60.6×72.7cm

人間社会の表裏、揺れ動くポジション争い、隠された感情などを、動物や植物、モノに置き換えてユーモラスに描く。

塩田千春
Chiharu Shiota(1972-)

塩田千春Connection with the Universe 30×30cm

糸を用いたインスタレーションを中心に、様々な作品を制作。生と死、記憶など、形にないものの表現を追求する。

江上 越
Etsu Egami(1994-)

江上 越星の時間-声のために 116.7×91cm

“ずれ”を生かした抽象的な肖像画。「国際的に活躍中。豊かな色彩が魅力の、第三世代のアーティストです」。

前田紗希
Saki Maeda(1993-)

前田紗希18_5 116.7×91cm

三角形をモチーフに人間や物事の多面性を描く。「芯の強さを感じる作品。モダン建築との相性もよいです」。

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