アート・カルチャー・ホビー

音楽座ミュージカルの名作『リトルプリンス』に出演! 土居裕子さんにインタビュー

〔今月のミュージカル・演劇〕

※この情報は、掲載号の発売当時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

ミュージカルの極意「曲と気持ちが重なる完成形」

土居裕子さん

原作の『星の王子さま』を最初に読んだのは国語の教科書で、当時はほとんど理解できませんでした。

以前、飛行士役で出演された近藤正臣さんが若い頃からバイブルのように大切にされていたと伺い、改めて読んでみると多くの発見があり理解が深まった気がします。

私は、演じるときはどの役もなるべく“ウソ”を取り除くことから始めることにしています。

王子を大人の女性が演じるのがそもそも大きなウソなので、王子を演じながらも心はできる限り自分自身でいたいなと。

サン=テグジュペリは実際に砂漠で飛行機事故を経験していて、過酷な状況の中で幻影も見たのではないかな。

そんな厳しい体験を、こんなメルヘンに書き下ろしたのは本当にすごいですね。真実と虚構が交錯する世界。まさにミュージカルにピッタリだと思います。

おすすめの楽曲はたくさんありますが、特に1幕ラストの「アストラル・ジャーニー」は壮大なスケール感のあるナンバーで、聞き応え見応え十分だと思います。演出の小林 香さんは女性の細やかな感性で丁寧に美しく世界を創ってくださっています。

私は音楽座の出身なので、ミュージカルをゼロから創り上げる作業にも携わってきました。ミュージカルを創るという作業は本当に大変です。

私たち俳優の立場からいうと、どうしても曲と気持ちが合わずにうまくいかないときは、それが本番直前だったとしても演出家やプロデューサー、作曲家と話し合って、私たちの考えや気持ちを伝え、そしてそれをくみ取って修正していただくということもありました。

皆が寝る間を惜しんでできた曲がFAXで届いたとき、口ずさんだ瞬間に涙が出たのを覚えています。

そんな曲を“ぜったい完璧に歌うぞ”と初日の舞台に臨んだことは、私の大切な経験になっています。そして、これがオリジナルミュージカル誕生の醍醐味なのだと感じています。

土居裕子(どい・ゆうこ)

1958年、愛媛県出身。東京藝術大学声楽科卒。1984年から1988年までNHK『なかよしリズム』の歌のお姉さんを務める。1988年より在籍した音楽座で主演女優を務め、代表作となるミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』など、数多くのミュージカル作品で活躍してきた。豊かな表現力と透明感のある歌声の持ち主。

ミュージカル『リトルプリンス』

『リトルプリンス』

世界各国の幅広い世代に愛されてきたサン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作として1993年に初演された音楽座ミュージカル『リトルプリンス』。演出は2020年に音楽座の名作『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』を演出した小林 香が手がける。「王子」は加藤梨里香と音楽座の初演時にも同役を演じた土居裕子、砂漠に不時着して王子と出会う「飛行士」と王子と仲よくなる「キツネ」の2役を井上芳雄、王子の星に咲くワガママで強がりな「花」を花總まりが演じる。

シアタークリエ
~2022年1月31日
1万2500円(全席指定)
東宝テレザーブ:03(3201)7777
URL:https://www.tohostage.com/littleprince/
※愛知公演あり

※この情報は、掲載号の発売当時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

表示価格はすべて税込みです。

取材・構成・文/山下シオン

『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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