パンデミックの時代が求める音楽 ワルツの熱情 第4回(全12回) 明と暗が表裏一体となったワルツの底知れない魅力を訪ねます。前回の記事はこちら>>
ショパンの手紙が語る ワルツと西洋占星術

恋の切なさや高揚感、サロンの華やかさまで、多彩なワルツを書いたピアノの詩人ショパン。「私のワルツはダンスするための曲ではないのです」――
故郷ワルシャワを旅立ったショパンは、ウィーンのビヤホールでワルツ演奏に喝采する人々を見て、その決意を新たにします。そしてパリでは優雅で洒脱なワルツを数々書き、サロンに集まる上流階級の人々を魅了しました。
そんな日々の中、占いに足を運んだことも。影響を受けやすい性格を知る母から、二度と行かないよう諭す手紙が残っていますが、天才的閃きをもつ作曲家も未来を知りたいという気持ちは同じ。感性豊かで時に感傷的な、魚座らしいショパンの姿が思い浮かびます。
2022年のあなたの運勢を上げるショパンのワルツ

占い/青石ひかり(あおいし・ひかり)
西洋占星術研究家。1994年より占いの執筆を始める。『エル・ジャポン』『音楽之友』等での連載や月刊占いが大人気。単行本に『BLUE LAB HOROSCOPE BOOK』。
●あなたのラッキーワルツが聴けます
このページで紹介するショパンのワルツを上のリンクからSpotifyでお聴きいただけます。
12星座別のおすすめ曲は、下のフォトギャラリーから詳しくご覧いただけます。
12星座別 おすすめワルツ
ワルツ第4番 op.34-3 (猫のワルツ)
2022年の牡羊座は、前半は気力とパワーを貯め込む充電期間ですが、5/11から12年に一回訪れる幸運星・木星が入るため、まったく未知のジャンルで活躍をスタートさせることになりそうです。生来のパイオニア精神を生かして、過去とは違うことにもチャレンジを。働き方も、あなたの個性を生かして、「ただ懸命に打ち込む」だけでなく、自分自身が楽しめるようなスタイルを見つけるときです。
人脈が武器になる年なので、コミュニケーション面では、今まで以上に他人と関わることに積極性を見せて。ユーモアセンスが人気の秘訣。
●ショパンが28歳のときに書いた「猫のワルツ」の愛称をもつ快活な曲は、弟子のディクール嬢に献呈されました。陽気で華々しく、お洒落な牡羊座を応援してくれるアクティブなワルツ。
ワルツ第13番 op.70-3
2019年から激動期に入っている牡牛座。ここ2年ほどは新しい基盤を築くことに腐心していたかもしれません。2022年は、ますますスピーディに変化していく社会の中で、自分らしい生き方を見つけることができそうです。過去の居場所や人間関係にこだわらず、目の前にチャンスが与えられたらトライしてみるとよいでしょう。
他の人がひるむような「大役」も、大物のオーラでこなしていける2022年のあなたです。精神面でのアップダウンは極端になりやすいのですが、SNSにはすべて書き込む必要はありません。プライベートでは、家族やパートナーの大切さを実感する年になるでしょう。
●ワルツ第13番はショパンが19歳のとき、初恋の相手コンスタンツィア・グラドコフスカを思いながら書いた甘美な曲。愛情面が充実する2022年の牡牛座にぴったり。
華麗なるワルツ第2番 op.34-1
「風の時代」の立て役者として、活動的な日々を送っている双子座。2022年はマンネリを克服し、周囲の期待をいい意味で裏切りながらマイペースに前進していく年になります。
社会全体が変動期なので、あなたの方針も二転三転していくかもしれません。つねに「正しいと思う道」を選んでいけば、窮することはないでしょう。5/11~10/29は、幸運星・木星がコミュニティのハウスに滞在。その期間は、ハイレベルな仲間とともにコラボレーションをしたり、共同のオフィスを構えたりすることがありそう。それ以外の期間は、とにかく仕事のオファーが殺到しそう。
●舞踏会そのものをイメージさせる「華麗なるワルツ第2番」はショパン25歳の作。ドイツの令嬢二人に献呈されました。風を切って進みたくなる素敵な曲です。
ワルツ第6番 op.64-1 (子犬のワルツ)
ここ2年ほど、めまぐるしい日々を送っていた蟹座。パワフルな活動が評価されて、高いポジションに上り詰めた人も多かったはず。その流れを引き継いで、2022年もあなたの活躍は止まりません。
これまではどちらかというと周囲のニーズに合わせて発展してきた蟹座でしたが、ここからは「本当に自分が望むこと」「この人生で感じてみたい充足感」を求めて、道を作っていくことになりそうです。プレッシャーを背負わず、プライベートでの息抜きも忘れずに。
人間関係では、お互いに高め合うパートナーシップを大切にする年です。家庭は安息の地ですが、魂を磨く場所でもあります。
●ショパンが敬愛するデルフィナ・ポトツカ夫人に献呈した「子犬のワルツ」は、キュートな魅力がますます磨かれる蟹座にふさわしい曲。
ワルツ第8番 op.64-3
「揺るぎない王としての気質」を実感する2022年の獅子座。早ければ2021年までに、それまでとは違う大きな行動に出ていたかもしれません。継続的に急成長を求められていたため、途中で何度か辛くなったのでは? 2021年は、覚悟が相当決まってくるので、投げ出すことなく最後までやり遂げるはず。
孤軍奮闘してきた人は、2022年はたくさんの味方があなたの周りに集まって、支えてくれます。人間関係は、本音を出し合い、ときには弱さも見せる正直さも必要。
5/11~10/29の期間は、早くも次のゴールが見えてくるときなので、レベルアップをはかりながら環境を整えて。
●ショパンが36歳のときに作曲した第8番のワルツはめまぐるしい転調が続く見事な展開の曲。日々発展する獅子座の心を励ましてくれるでしょう。
ワルツ第9番 op.69-1 (別れのワルツ)
2021年後半には、乙女座にいくつもの気づきが訪れていたのではないでしょうか? あなたが人生の方針として選んできた「完璧を目指して、努力すること」が、そろそろ必要なくなってきています。2022年は、過去にキープしていたものを手放し、身軽になることで人生の目的に近づきます。
人間関係は「卒業」をする縁も。年明けから5月までと、11月から年末までは、パートナー運が充実するため、今の縁に不足を感じている乙女座には、新たな人物が現れるかも。9月から10月にかけては旅立ちの季節。成就しない望みを「諦める」にもいいタイミングです。
●ショパンが25歳のときに書いた「別れのワルツ」は、婚約者(婚約はしていない説も)マリア・ヴォジンスキに捧げられた美しい曲。2022年の乙女座の繊細な心に寄り添う。
「大円舞曲」第5番 op.42
平和と調和を愛する天秤座。この2~3年ほどは、やむにやまれぬ状況から周囲に対して戦闘態勢をとったり、極端に防御的になったりする場面が多かったかもしれません。2018年からあなたの深層のハウスに天王星が入ったため、自分でも正体がつかめないような「本能的な疼き」に突き動かされ、予想外の場所に流れ着いた人もいたでしょう。
2022年もその状態は続きますが、だいぶ整理がついてくるはず。「日常が整備され、心と身体が自然に整ってくる」段階に入り、新しい基盤を築いて、これまでとは違う活躍を見せていく可能性も大です。
●ショパンが30歳のときに作曲した第5番の「大円舞曲」は、自由な創意によって大きく発展していくワルツ。時代を牽引する「風の星座」の一員である天秤座によく似合います。
ワルツ第14番 (作品番号なし)
2022年は、蠍座にとって大きな高揚感のある年です。社会的な成功運もありますが、あなたの心の中のプライオリティは、あくまでプライベートに置かれるでしょう。家族とどういうライフスタイルを築きたいか、というビジョンをもつことで、それ以外のことも形が整ってきます。
春以降、蠍座は「才能」だけをもって、拠点にはこだわらない活動にシフトしていくかもしれません。固定された場所や関係にとらわれず、軽やかに移動する日々がやってくる可能性も。そのことで、ますますあなたの評価は上がっていきます。
●疾風怒濤の如く始まるワルツ第14番は、ショパンが故郷ワルシャワを離れる20歳のときに書かれた名曲。その後のショパンのドラマティックな人生を予感させます。「拠点」からシフトしていく蠍座を応援する曲。
ワルツ第10番 op.69-2
射手座は直観に優れ、現状維持よりも冒険を好む星座であるため、時代の変わり目である今は先を行きすぎて「浮いている感」が凄いかもしれません。2021年に比べると、2022年の世界はよほど、射手座の未来感覚に近づいてきます。5月からは支配星・木星が射手座を応援する配置をとり、発言や企画が本格的に評価されることになるでしょう。
物事をまとめる土星は2020年末からコミュニティのハウスに滞在し、あなたは自らの才能をひとつの記念碑として打ち立てる段階に入っています。2021年にまとまりかけたアイディアは、2022年には拡大しすぎて霧散してしまう危険性も。完成まで粘って。
●ショパン19歳の作であるワルツ第10番は、早熟な才能を感じさせる曲。射手座の永遠に若々しい魅力にフィット。
ワルツ第3番 op.34-2
成熟が早く、若いうちに達観した境地に達しがちな山羊座。2022年は若い仲間たちとの接点が増え、あなたの感性も一気に瑞々しくなっていきます。彼らも、あなたの経験や知恵に興味津々なので、多くのことを「授ける」ことになるでしょう。あなたの方は「卒業した」ことに再び取り組み、成果を上げていくはず。
木星が移動する5/11以降はプライベートが充実し、家族の行事を心から楽しめる期間です。「時間」にシビアな山羊座だけど、家族のためには時間をプレゼントしてもいいと思うようです。一人旅も楽しめる一年。山羊座の美意識を刺激する「美しい景色」を求めて旅のプランを立てては。
●憂愁を帯びたショパンのワルツ第3番は21歳のときの作曲で、作曲家は生涯この曲を愛したといいます。山羊座の心の旅のBGMに。
ワルツ第7番 op.64-2
2021年の年末に水瓶座から木星が去り、あなたのもとには土星が残りました。2023年まで滞在するこの土星の存在感は、あなたに「締め切り」の感覚を与えてきます。未来に確かな計画性を与え、一日一日を充実させていくことが2022年の課題です。支配星・天王星は引き続き安息のハウスにいて、あなたに「もっと心地よいライフスタイルを送りましょう」と提案を続けています。
健康面では、以前ほど楽観しないでしっかりと養生を。体力を過信してスケジュールを詰め込みすぎると、パニックに近い状況になりそうです。力を抜いて「もっと遊ぶ」ことが大事。
●水瓶座におすすめのワルツ第7番は、ショパンが亡くなる3年前に書いた名曲。ショパンの故国ポーランドの民謡を思わせる憂愁に満ちた響きが特徴的です。
ワルツ第1番 op.18 (華麗なる大円舞曲)
2021年12月30日にあなたの星座に約12年ぶりに入った幸運星・木星は、5月上旬まで滞在し、魚座に拡大発展のチャンスを与えてくれます。新たなスタートにも理想的なタイミングですので、現実面でまだ条件が完璧に揃わなくてもイマジネーションの力を借りて出発してみてください。
5月以降、木星は10/29まで基盤のハウスに移りますが、長年財運が不調だった人は、立て直しが始まります。汲々として倹約するよりも、「工夫すればいかようにも稼げる」と思ってください。楽しいこと、人を喜ばせることを行って。また、人間関係はひとつの絆に執着しないことです。
●魚座におすすめのワルツは「華麗なる大円舞曲」。24歳の作曲で、一番最初に出版されたワルツとなりました。主役デビューの気分に溢れた華やかな名曲です。
編集協力/三宅 暁(編輯舎) イラスト/朝倉めぐみ
『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。