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美術館で町おこし!「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」で、島の自然と名建築を体感

癒やしの絶景美術館 第7回(全12回) 非日常感を味わいながら、心を癒やし、明日への活力をチャージする場所として美術館を楽しんでいるかたも多いことでしょう。展示作品はもちろんのこと、そのロケーションや建物も一体となってアートを堪能でき、心癒やされる美術館を全国各地で探しました。前回の記事はこちら>>

※各美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合がございます。最新の情報は、各公式ホームページ等でご確認ください。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

建築もアートな美術館へ

美術館のシンボルとなる建物そのものが、アートとして一見の価値あり、と注目されるスポットが増えています。地元で時を刻んできた建物が匠の手で再生されたり、新たにできた建築が地域に活気をもたらすきっかけとなったり……。全国各地、個性豊かな建築が話題の美術館へご案内します。

光が時を刻むしまなみが借景。神の島に現代建築

世界を舞台に活躍する建築家、伊東豊雄さんの名を冠したミュージアムは、本州と四国を結ぶ瀬戸内しまなみ海道のほぼ中間地点、大三島(おおみしま)にあります。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

カマボコ形の屋根が連なる「シルバーハット」は、伊東さんが1985年度日本建築学会賞作品賞を受賞した昔の自邸を再現したもの。右奥に見えるのが展示棟の「スティールハット」。

人口約6000人の風光明媚な島は、日本総鎮守と称される大山祇(おおやまづみ)神社があることから「神の島」とも呼ばれ、美しい自然や伝統的な暮らしが守られてきました。

みかん畑脇の斜面に建つミュージアムは、伊東さん設計の2つのユニークな建築からなり、貴重な模型なども展示。刻々と表情を変える空と海、蝶の乱舞や鳥のさえずりも建築の魅力を引き立て、見学者の気分を盛り上げてくれます。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

湖のように静かな海と島影がつくるパノラマは、息をのむほどの美しさ。特に、伊東さんが惚れ込んだ夕暮れどきの眺めは格別だ。

美術館を拠点に町おこし「日本でいちばん住みたい島」へ

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

大小4つの多面体を組み合わせた「スティールハット」は、見る場所によって印象が一変する。見学希望者はまず、こちらで入館の手続きを行う。

「建築教育の場や町づくりの拠点をつくりたい」という伊東豊雄さんの熱意が実を結び、「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」が開館したのは、2011年の夏。島の自然に癒やされながら、名建築を体感できます。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

伊東豊雄さん(いとう・とよお)
1941年生まれ。主な作品に「せんだいメディアテーク」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」(台湾)など。ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞など受賞。2011年に私塾「伊東建築塾」を設立。これからの建築を考える場としてさまざまな活動を行っている。写真/藤塚光政

大三島に通ううち、都会にはない豊かさに魅せられていった伊東さんは、高齢化や人口減少といった問題を抱える島を、建築で活性化したいと思うように。

「大三島を日本でいちばん住みたい島にする」という目標を掲げ、「伊東建築塾」のメンバーや地元の人たちと活動を開始します。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

「スティールハット」1階のサロン。被災地に贈る椅子の製作や島を紹介するパンフレット作りなど、愛媛県立今治北高等学校大三島分校の生徒たちが取り組んできたプロジェクトを写真で紹介している。

大山祇神社の参道に人々が集える店を開き、廃校になった小学校を改築してホテルにし、耕作放棄地をぶどう畑としてよみがえらせて島初のワイナリーをつくり……。そうした取り組みの成果は、若い移住者の増加といった形で少しずつ表れています。

ミュージアムへ行くときは、時間をたっぷりとって、大三島全体を楽しんでみてはいかがでしょう。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

大三島産のワイン。右から、「島紅(しまんか)」3800円、「島白」4500円、「島みかん うんしゅうスパークリング」375ml 1100円、「島ロゼ スパークリング」3200円。「島みかん」以外各750ml。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

ワインを購入できる「大三島みんなの家」(愛媛県今治市大三島町宮浦5562 TEL:0897-72-9377)

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

螺旋構造の展示物は、伊東さんが2001年に設計した「リラクゼーション・パーク・イン・トレビエハ」の模型。トレビエハはスペインのバレンシア地方にあるリゾート地。

[愛媛・今治]今治市伊東豊雄建築ミュージアム

エントランスのロゴも洒落ている。

下のフォトギャラリーから詳しくご覧ください。

Information

今治市伊東豊雄建築ミュージアム

愛媛県今治市大三島町浦戸2418

入園料 一般840円
TEL 0897(74)7220
営業時間 9時~17時
定休日 月曜(祝日の場合は原則翌日振替)、12月27日~31日
  • ●10月7日まで企画展「公共建築はみんなの家である」を開催中。

各美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合がございます。最新の情報は、各公式ホームページ等でご確認ください。

撮影/小林廉宜 取材・文/清水千佳子

『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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