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芸術と自然とが美しく調和した絶景美術館「NAGARE STUDIO 流政之美術館」へ

2021.09.16

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【いつか行きたい 保存版】日本全国 アートと自然を愛でる 癒やしの絶景美術館 第1回(全12回) 非日常感を味わいながら、心を癒やし、明日への活力をチャージする場所として美術館を楽しんでいるかたも多いことでしょう。展示作品はもちろんのこと、そのロケーションや建物も一体となってアートを堪能でき、心癒やされる美術館を全国各地で探しました。

[香川・高松]
NAGARE STUDIO 流政之美術館


NAGARE STUDIO 流政之美術館

香川県高松市、庵(あじ)治半島の岬に建つ「NAGARE STUDIO 流政之美術館」は彫刻家、流 政之の住居兼スタジオ(制作現場)だった場所。流は作品を庭の天台(御影石の石舞台)に置き、できばえを見極めた。

大自然との調和を堪能するランドスケープミュージアム



傑出した「景観」が持つ土地のパワーを、余すところなく生かした美術館をご紹介します。単なる風景美とは一線を画し、芸術と自然が織りなす美しい関係に心が躍ります。

NAGARE STUDIO 流政之美術館

神々しい光を浴びて、一望千里の高台に屹立するブロンズ彫刻「サキモリ」。「NAGARE STUDIO 流政之美術館」には、世界に名高い彫刻群と瀬戸内の自然が織りなす絶景がある。

世界的彫刻家のスタジオで名だたる作品群に出合う


NAGARE STUDIO 流政之美術館
のびやかに枝を広げる木々と調和するように彫刻が並べられたプロムナード。煉瓦の建物脇に置かれた黄色いランタンなど、そこここに飾られた流独自の収集品も見どころだ。

作家の美学が息づく彫刻庭園「天台の庭」


流 政之(1923~2018年)の名は知らなくとも、アメリカ『タイム』誌で三島由紀夫、川端康成、丹下健三、黒澤 明とともに「日本を代表する文化人」に選ばれた人物と聞けば、傑物ぶりがわかるでしょう。「質より量。1万点はつくりたい」と語り、生涯精力的に制作し続けた彫刻は、国内外の美術館や公共施設に飾られています。

NAGARE STUDIO 流政之美術館

流 政之(ながれ・まさゆき)
1923年長崎県生まれ。刀鍛冶、装丁家、海軍の零戦パイロットなどを経験。戦後、各地を放浪するなかで石に出合い、彫刻の道へ。アメリカを中心に海外で高い評価を得る。日本アカデミー賞のブロンズ像「映画神像」の作者で、作庭、陶芸、家具デザインも行った。

長崎出身の流が石の産地として名高い庵治村(現在の庵治町)で若い職人たちと制作活動を始めたのは30代後半の頃。数年後、ニューヨーク世界博覧会のため、石匠(せきしょう)6人を従えて渡米した彼は、日本から運んだ石2500個で大壁画を制作し、絶賛されます。

帰国した彼が村の長老たちの案内で訪れたのは、現在美術館のある庵治半島東岸。

「先生みたいな人は日の出の見えるところに住みなされ」と勧められ、朝焼けの美しいその地を拠点とすることを決意します。

NAGARE STUDIO 流政之美術館

朝日が昇るにつれ、彫刻の輪郭が徐々に浮かび上がってくる。作品たちのおしゃべりが聞こえてきそうな幻想的な眺め。※特別な許可を得て開館時間外に撮影しました。

ニューヨークのワールド・トレード・センターのシンボルとなる彫刻の制作依頼がきたのは、スタジオができた翌年でした。

自分亡き後はスタジオも取り壊してほしいと話していた流でしたが、周囲に説得され、残すことを承諾。今は、彼をよく知る石匠のメンバーが案内人を務め、誰もが憧れる紳士だったという彫刻家の人となりや制作秘話を伝えています。

ここはまた、「手で触ってこそ深く感じられる」という流の考えから、作品に自由に触れられるのも魅力。来館の折にはぜひ、見て触れて、作品をじっくり味わってください。

NAGARE STUDIO 流政之美術館

独創的な形の煉瓦造りの建物は、流が設計した生涯唯一の建築。理想を追求し、扉の色を何度も塗り替えるなど、晩年まで手を入れ続けた。

下のフォトギャラリーから詳しくご覧ください。

Information

NAGARE STUDIO 流政之美術館

香川県高松市庵治町3183-1

入園料 一般5000円
TEL 087(871)3011
営業時間 予約制。木曜~土曜の10時30分、13時の1日2回(約60分、定員10名)。
定休日 日曜~水曜
  • 美術館のウェブサイト(https://nagarestudio.jp)にて、見学希望日の60日前から3日前までに予約を。屋内の一部と庭園が見学できる。
※各美術館の開館時間、休館日、展示期間、展示内容等は変更になる場合がございます。お出かけ前に美術館の公式ホームページ等をご確認ください。 撮影/小林廉宜 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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