アート・カルチャー・ホビー

佐渡裕さんが情熱を注ぐ、子どもたちへの音楽教育。一つ一つの経験が音楽的・人間的な成長に

日本が誇る世界的指揮者に密着 佐渡 裕 情熱の音楽人生 第3回(全7回)1989年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、鮮烈なプロデビューをしてから32年。その溢れる情熱、カリスマ性、人間力で世界への扉を開け続け、活躍の場を広げているマエストロのこれまで、今、そしてこれからの指揮者人生に迫ります。前回の記事はこちら>>

1.子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を。スーパーキッズ・オーケストラに愛情を注ぐ

子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を贈る

※本取材は感染予防対策を徹底して実施いたしました。撮影の短い時間のみマスクをはずしております。

10代の音楽的・人間的な成長をゆっくり見守る

佐渡さんにはもう一つ創りたいオーケストラがありました。それが2003年に結成されたスーパーキッズ・オーケストラ(SKO・兵庫県立芸術文化センターの事業)。オーディションで選抜された小学生から高校生までの音楽家の卵たちが、合同練習・夏合宿・公演を経験しながら学ぶ弦楽器のオーケストラです。

「皆お互いライバルでありながら強い絆で結ばれた仲間。その中で、各自が自発的に変わっていく瞬間があります。自分がこの曲の中でどういう役割をしているのかに気づいたとき、特に成長を感じますね」。

彼らを連れて東日本大震災などの被災地も訪問し、演奏を捧げてきました。そうした一つ一つの経験が音楽的・人間的な成長へと繫がり、それを見守ることが佐渡さんの大きな喜びです。

子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を贈る

練習前にお話。

子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を贈る

各パートトップがソロ演奏したり、ヴィオラやチェロにも主旋律が来るようにアレンジ(編曲担当・池田明子さん)。

子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を贈る

津波の被害を受けた釜石の海岸から海に向かってバッハを献奏。波間にしみいる鎮魂と祈りの音だった。

【練習前に】佐渡監督からみんなへ

いつも練習の合間に子どもたちに話をします。今回は、昨冬(2020年)ウィーン滞在中に起きたテロ事件について。その行為は絶対に許されるものではないが、世界にはさまざまな考えを持った人がいる。常に相手の言葉に耳を傾け、自分からも言葉を発することを心がけてほしい。オーケストラも同じ。相手の音を聴くことを大事にしてほしいと伝えました。彼らは被災地を回ってから明らかに上手くなりました。音楽に人を励ます力があることに気づいたからでしょう。

佐渡さん自身も毎晩のように聴くデビューCD

佐渡さん自身思い入れのある『ニュー・シネマ・パラダイス』などを収録。10代の輝きを最大限に引き出したタクトが光る一枚。

子どもたちに音楽を伝え、かけがえのない体験を贈る

『TEENAGERS 佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラの奇跡』3300円 avex classics

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