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何を買うべき? 専門家に聞く「アート投資の基本セオリー」。日本の現状と成功の鉄則

2021.04.27

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今こそ、教養として知っておきたい アートという資産 最終回(全7回)今、日本では空前の現代アートブーム。投資を目的に購入する人も増えています。現代アートは本当に資産となりうるのでしょうか。そのためのノウハウを著名なコレクターやギャラリスト、オークションハウス、投資家など専門家に教えていただきました。前回の記事はこちら>>
アート投資の初心者に向けて、市場に詳しい3人に日本の現状と成功の鉄則をうかがいました。

〔取材協力〕
徳光健治(タグボート代表)
加藤 淳(アート・コンサルティング・ファーム代表)
林 保太(文化庁 文化経済・国際課)

入念な下調べをしたうえで科学的な根拠に基づく投資を


コロナ禍においても世界のアート市場は活況を呈しており、その規模は約7兆円。特に伸びているのが現代アートです。

しかし、これに対し、日本のアート市場は約2580億円、実質は500億円程度で世界の1パーセントに満たないともいわれており、完全に出遅れています。現代アートのオンラインギャラリー「タグボート」を運営する徳光健治さんは、こうした現状について、次のように分析します。

「バブル期に大して価値のない絵画を買って大損した日本人が多いこともあり、日本にはアートが文化的な側面だけでなく、株や不動産のように資産的な価値を持つという認識がいまだに根づいていないのが一因です」(徳光さん、以下徳光)

アートインデックス(Artprice.com)の推移

専門家に聞くアート投資の基本セオリー
2008年のリーマンショック後、「近代」以前の市場は下降気味だが「戦後」と「現代」は回復。特に「現代」は「戦後」を逆転して上昇中。

また、アート・コンサルタントの加藤淳さんはこう語ります。

「これまで日本のアート業界はほぼ100パーセント、売り手側の論理で成り立っていました。消費者は何の知識も武器も持たずに市場に乗り込んだため、敗れて当然でした。今は作品の時価などの情報もオープンになりつつありますから、今後は事前に入念な下調べをしたうえで、科学的な根拠に基づく投資を行うことが大切になるでしょう」(加藤さん、以下加藤)

では、どんなアートを買えばいいのか。お二人が口を揃えるのが、セカンダリー・マーケット、つまりオークションなどで売買されている作家を選ぶことです。

「流通市場に乗っていなければ未上場株と同じで金銭的価値はゼロですから、将来転売することはできません。特に現代アートは海外市場とリンクしているかどうかが重要になります」(加藤)

今はSBIアートオークションなど、オークション会社のホームページでも落札価格が公開されていますし、カタログも入手可能。ただし、オークションは売るだけでなく買う際にも落札価格の15パーセント程度の手数料がかかるので要注意です。また、投資情報サイト「QUICKMoney World」では毎月、オークションで売買された注目の作家の動向をレポートしており、参考になります。

「なかには値動きが激しく投機としては魅力的なものもありますが、特に日本で流行しているアニメやストリートアートのような作品は今後どうなるかはわかりませんから、できれば5年以上の経過が見られる作家をおすすめします。さらに、その作家が主要な美術館で展覧会を行うといった実績を積んでいるかどうかを調べることも必要です。そうした経験もない作家が高騰しているとしたら、それはマネーゲームに過ぎません」(加藤)

前述の投資情報サイトにレポートを配信中の加藤さんの会社では、アート1点に対して各オークション会社の膨大な落札結果から時価をグラフ化し、詳細な分析と助言を行う有料サービスを行っていますが、日本人は情報に対する経費を惜しむ傾向が強く、まだこうした仕組みの存在を知らない人も多い、と加藤さん。
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