娘を思う気持ちが母の原動力。映画『約束の宇宙（そら）』と『サンドラの小さな家』

『約束の宇宙（そら）』

© Carole BETHUEL ©DHARAMSALA & DARIUS FILMS

働きながらひとりで子育てするシングルマザー。彼女たちは、子どもとの暮らしを守るために日々闘っている。


『約束の宇宙（そら）』の主人公は宇宙飛行士のサラ。国際宇宙ステーションに滞在するチャンスを得た彼女は、学習障害を抱える娘のステラを別れた夫に預け、離ればなれになることに不安を拭えない。

自分を構ってくれない母親に苛立つ娘と向き合い、訓練地ロシアでのメンバーとの軋轢を乗り越え、旅立ちの日を迎えたサラが、娘との約束を守るために取った行動は......。

宇宙飛行までの2ヵ月間、厳しい訓練中の宇宙飛行士として、そして母としての葛藤をエヴァ・グリーンが熱演している。

『サンドラの小さな家』

© Element Pictures, Herself Film Productions, Fís Eireann/Screen Ireland,British Broadcasting Corporation, The British Film Institute 2020

『サンドラの小さな家』は、困難に立ち向かい、生きる希望を描いた作品。

DV夫から逃れ、幼いふたりの娘とホテルに仮住まいしているサンドラ。公営住宅の空きも望めないなか、建築家が提案するセルフビルドの家を知った彼女は家づくりに乗り出す。

仕事の雇い主やホームセンターで知り合った土木建築業者、友人の助けを得て、家づくりは進んでゆくが......。

たとえ素人でも、仲間と手を取り合えば、家を自作することは無謀な夢ではない。娘たちとの生活を守るために奮闘するサンドラのひたむきな姿が印象に残る。