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明治天皇ゆかりの品々が現代に蘇る。美を継承する「明治神宮ミュージアム」

鎮座100年を迎える森の社を訪ねて 明治神宮100年目の美と森 第1回(全7回) 東京という都会の中心に位置し、荘厳な鎮守の杜と日本一の初詣参拝者数で知られる明治神宮。明治天皇と昭憲皇太后をお祀りし、創建されたのが1920年。戦後復興を経て今年は鎮座100年の節目となります。11月1日の鎮座百年祭に向けてさまざまな準備が行われてきました。それは明治神宮における美の再編ともいえます。この美の神域に美の源泉を辿り、新たな時代に向けてのメッセージを探ります。

美を継承する職人技と新ミュージアム

明治神宮
参道から望む本殿
正参道から一直線に第三鳥居、南神門、外拝殿、内拝殿越しに本殿の木階(もっかい=木の階段)が見える。遠くから神様の存在を感じられるよう意図的な設計がなされている。

明治天皇ゆかりの品々が現代に蘇る

鎮座100年を機に新設された、明治天皇と昭憲皇太后のゆかりの品々を収める明治神宮ミュージアム。美術品の修復も行われ、貴重な美の遺産を未来へと継承します。

馬車
修復を終えた馬車の展示(明治神宮ミュージアム)

静まりかえった工房で拡大鏡を覗きながら小刻みに手元を動かす一人の職人。明治天皇が乗られた馬車の修復は、100年のうちに色褪せた巨大な馬車を、傷つけないよう少しずつ磨き上げるという気の遠くなるような作業です。馬車はほぼ3年をかけて修復され、新設の明治神宮ミュージアムに現在展示されています。

六頭曳儀装車
六頭曳(ろくとうびき)儀装車
大日本帝国憲法発布日に明治天皇・昭憲皇太后がご一緒に乗車された英国製の馬車。修復によって当初の姿に蘇った。

馬車の修復
馬車の修復
左は小西美術工藝社の技術者による修復作業。表面の汚れを専用のメスでカリカリと擦り落としていくと少しずつ元の金色が蘇る。緻密極まる作業だ。右は馬車の台の部分の修復作業。

森と同化するようにひっそりと佇む隈 研吾氏設計のミュージアムは、場所もJR原宿駅に近い第一鳥居近くとなり、明治天皇と昭憲皇太后にゆかりのある品々を最新設備の収蔵庫で保存管理(それまでは宝物殿で保存)。質素な生活を旨とされた明治天皇ですが、身の回りで愛用された品々や調度品から明治天皇の大御心(おおみごころ)を感じとることができます。

石盤附御蒔絵硯箱、水滴、香炉
右はいずれも収蔵品の一部で、昭憲皇太后がお使いになった石盤附御蒔絵硯箱と水滴。香炉は明治天皇が愛用された朧銀製の御香炉で『源氏物語』の「桐壺」と「夕顔」がモチーフになっている。

明治神宮ミュージアム
館内の窓からは森のパノラマが見え、都会にいることを忘れさせる。

明治神宮ミュージアム
開館/10時~16時30分(最終入館は閉館時間の30分前まで)
休館日/毎週木曜
入館料/一般1000円 高校生以下900円 小学生未満無料
TEL/03(3379)5875

構成・取材・文/三宅 暁(編輯舎) 撮影/鈴木一彦

『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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