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この写真を覚えていますか? 著名人と考える「平成遺産」

デジタル化、グローバル化の時代へ「平成遺産」 第1回(全7回) アナログからデジタルへ、ハードからソフトへ──21世紀の幕開けと歩調を合わせるかのように、デジタル化の波がグローバルな潮流として押し寄せ、私たちの生活を根底から一変させていきました。スマートフォン、GAFA、インターネット、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)……暮らしの隅々までデジタルが入り込み、決して手放せないものになりました。モノの豊かさを背景とする昭和30年代の変革を「生活革命」の時代と呼ぶならば、平成は情報技術の革新が続いた「デジタル革命」の時代。平成時代は、デジタルによる生活のソフトウェア化が、豊かさと結びついた時代でした。

著名人と考えた「平成遺産」

平成の世になってバブル経済が崩壊。その後、デジタル革命、震災などさまざまな出来事が起きました。新しく生み出された時代の象徴を挙げながら、約30年の平成という時代を振り返ります。

平成

昭和64年1月7日、小渕官房長官が新元号の発表時に掲げた平成の書。したためたのは内閣府人事課辞令専門職の河東純一氏で、4枚用意された紙の最後の1枚に書いた文字でした。平成(元号)の書/国立公文書館所蔵

小渕恵三官房長官が掲げた
「平成」ボード

選/文・泉 麻人 (コラムニスト)

時の官房長官・小渕恵三氏が「平成」と筆書きしたボードを掲げて新元号が発表されたのは正確にはまだ平成ではなく昭和64年の末日、1月7日の午後2時半ごろのことでした。

つまり、この日の朝に昭和天皇が崩御されたわけでして、ボードを手にした小渕さんも沈んだ表情の底に若干新時代幕開けの喜びを包み隠したような、複雑な顔つきを見せています。

小渕官房長官

昭和64年1月7日、首相官邸の記者会見室で「平成」と墨で書かれた2文字を掲げる小渕官房長官。首相は平成を「国の内外にも天地にも平和が達成されるという意味が込められており、これからの新しい時代の元号とするに最もふさわしい」と説明。写真/読売新聞・アフロ

当時書いていた時事コラムによると、土曜日のこの日、僕は開局してまもないJ-waveを流しながら車で首都高をぐるぐる廻っていたようです。

よくかかるペット・ショップ・ボーイズではなく、マーラーの交響曲が聞こえてきた……なんてことが書かれている。

そんな感じで一旦厳かなマーラー気分で幕を開けた平成でしたが、すぐにバブルのテンションを取りもどして、そのピークを迎えます。

平成の2年目に始まった『ちびまる子ちゃん』のテーマソング「おどるポンポコリン」は、派手なユーロビートサウンドながら、昭和から引きずってきたイケイケムードにフィナーレを告げる打ち上げ花火、とでもいうべき、どことなく物哀しい趣が感じられます。

本誌が考える【平成遺産】とは、平成時代に生み出されたもの、もしくは平成時代に広く一般に親しまれたもので、次世代へ継承したいモノ、コト、場所を指します。

『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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