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豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

豊洲市場にその人と図書室あり

新しくなった日本の台所、豊洲市場にはもうお出かけになっただろうか。
既に足を運ばれた方も、管理棟の銀行脇にある小洒落た図書室兼ギャラリー「銀鱗文庫」を見逃してはならない。そこにはあらゆる魚の図書、築地時代からの貴重な史料、そしてお魚や市場グッズが置かれている。

銀鱗文庫の事務局長を務めるのは福地享子さん。築地の仲卸に13年勤めながら、本業のライター仕事もこなしていたエネルギッシュな女性。元は料理本の編集者、大学は食物学科卒業というから筋金入りである。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

ご自身の著作を手にされる福地さん。販売中のマグロ型ポーチが天井から下がる。
市場仕込みのお魚の知識はもちろん、食べることが大好き。そんな福地さんに豊洲の楽しみ方を伺うと、「まずは食べなきゃ。春なら貝よ!」と誘われた。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

福地亨子著『知ればもっとおいしい!食通の常識 築地魚河岸寿司ダネ手帖』

 

プロの話を聞きながら、貝の握りを堪能

「貝は今や年中出回っているけど、旬は春が圧倒的に多いの。この時期なら冷凍ものではなくて生が手に入るのよ」とのこと。これは我々取材班だけで楽しむのはもったいない。弊社のカルチャー教室「セブンアカデミー」で “春の貝握り講座” を開催したいと交渉。ご快諾いただいた。

その名も『豊洲 江戸前寿司 旬の貝を味わい尽くす 』。福地さんから食材のお話をうかがいながら、貝尽くしの江戸前寿司を豊洲市場内でいただく、贅沢な講座だ。

「そういうことなら町山さんのお店がいいわ」と紹介されたのは『寿し処 勢(せい)』。豊洲の仲卸から直に仕入れた新鮮なネタが自慢の行列店である。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

「開かれたお寿司屋さんを目指しているんです」と語るのは代表取締役の町山聡子(としこ)さん。店の前にはネタの写真と価格が大きく掲示され、なるほど安心して入店できる。

講座当日は、15歳から寿司修行を始めて30年超というすし職人、酒井孝一さんにお寿司を握っていただけることになった。江戸前では大きなシャリが基本だが、家庭画報読者の為、小さめに握っていただくことに。ネタに集中して堪能できそうだ。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

さっそく貝の握りをいただいてみる。
鼻に抜ける海の香りとほのかな苦味、やわらかな食感がなんとも言えず、冬眠から気持ちよく目覚められそうな美味しさである。

春いただくべき貝ネタ爛漫

とはいえどのネタを優先して選ぶべきか。知識のない取材陣は福地さんに「春食べるべき貝ネタ」をうかがってみた。

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「なんといっても外せないのは『赤貝』」と言い切る福地さん。肉厚でシコシコとした食感、清々しい磯の香り、美しい赤色と三拍子揃った、寿司の貝ダネの代表選手という。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

すこし癖のある香りで好みが別れる「アオヤギ」は通称「バカガイ」。名前の由来はいくつかあるが、一説には殻が非常に割れやすかったため「破家貝」といったのだとか。この辺りは市場関係者や寿司職人たちに話を振ると、もう止まらない鉄板ネタだ。詳しくは講座の楽しみにとっておこう。

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そのバカガイ、もといアオヤギの貝柱が「小柱」。ご存知、高級寿司ダネの一つである。独特の甘みと、ぷりぷりとした歯ごたえがたまらない。アオヤギほどの癖もないのが不思議である。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

ハマグリは敢えて生ではなく、黄金色のタレをつけた「煮蛤(にはま)」。仕込みの大変さから出すお店も少なくなっているが、江戸前寿司では定番のネタ。やわらかな身とタレによって、ハマグリのうま味がしみじみと味わえる。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

貝柱で人気の帆立貝は、実は戦後から食べ始められた新参者。江戸時代の「貝柱一番人気」は、なんといっても「平貝(たいらがい)」。直径およそ25センチの貝だけに、貝柱も6センチ前後と大ぶり。「香りや甘さは控えめでも、食感に切れがあって江戸前の小粋さを感じられる」。姿は帆立に似るが味わいは全くの別物。

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「鳥貝(とりがい)」は近年の流通革命によって殻付きの新鮮な状態で仕入れられるようになった。「冷凍ものは下手をするとガムのよう」というが、新鮮な鳥貝は軽くボイルすることで濃いうまみが味わえる。貝の”足”となる部分をいただくため、「ヤンチャな形と色がまたご馳走感をそそる」。

講座ではこうした福地さんお墨付きの貝ネタ(赤貝、小柱、煮蛤、平貝など)に加え、お寿司といえば外せないマグロやウニ、アナゴも含めたお寿司10貫をいただく。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

当日は福地享子さんのほか、豊洲市場で仲卸2軒を営み、ふぐ卸売協同組合の理事長も務める魚のエキスパート、町山 茂さんにもご登場いただく予定。名前でお気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、「寿し処 勢」の町山聡子さんのお父様。自らを「寡黙」と称しながらも、魚や寿司の話となるとネタが尽きない。

「ご婦人は貝独特の”クセ”を苦手とされる方も多いですよね。でも最近の魚介類は全体的に上品で、食べやすくなりました。寿司はそうした時代の傾向に合わせて、シャリやムラサキ(醤油)も工夫しないといけません。僕自身は癖の強い昔のお寿司も大好きですけれどね」と、食通らしい言葉が飛び出す。

豊洲市場で味わうとびきり新鮮な貝の握りとディープな魚介の話。
貴方の貝感が変わる1日となるかもしれない。

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし

福地亨子著『あいうえ 築地の河岸ことば』

 

セブンアカデミー講座
『豊洲 江戸前寿司 旬の貝を味わい尽くす』

豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし
2020年3月18日(水)13:30~15:00

豊洲市場「銀鱗文庫」にて、福地享子さんによる旬の貝ネタやお寿司のお話を伺った後、「寿し処 勢(せい)」にて酒井孝一さんの握る江戸前寿司10貫をご堪能いただきます。 追加料金にてお寿司の追加オーダーも可能です。 (写真の寿司ダネはイメージです。講座当日に手に入るネタで、最高のものをご提供致します)

講座参加者には「寿し処 勢」オリジナル手ぬぐいのプレゼントもございます。

詳細・お申込はこちら>>

5月にはウニの食べ比べ、
9月はエビ、秋のマグロなども計画中です。
お見逃しなく。

銀鱗文庫
豊洲市場で旬を味わう寿司講座 第一弾は春の貝づくし
東京都江東区豊洲6-6-1 東京都中央卸売市場 管理棟309号室
10:00~14:00
定休日:日・水・祝
https://www.ginrin.club
https://www.facebook.com/ginrinkai

寿し処 勢
東京都江東区豊洲6-5-1 水産仲卸棟 3F
平日 7:00~14:30(最終受付)
土曜 7:00~15:00(最終受付)
定休日:日・祝・市場休場日
http://toyosu.tsukijigourmet.or.jp/shop/6-sushidokoro_sei/index.html
https://www.facebook.com/sushidokorosei/

 

セブンアカデミーとは――

『家庭画報』をはじめとする数々の雑誌や書籍を出版する小社が、主催・運営するカルチャー教室です。世界と文化の頭文字をとって、「セブンアカデミー」と名づけました。弊社刊行物の著者や各界で活躍する著名なかたがたを講師に迎え、出版社ならではの上質なカリキュラムの講座をご提供。わかりやすさ・楽しさも踏まえて、お子さまからシニア世代まで幅広い年齢のかたがたを対象とするテーマと内容を展開してまいります。余暇の楽しみや、ステップアップのきっかけに……。洗練された空間で思い思いの“学びの時間”をお過ごしください。

撮影・文=沼知りえこ

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