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動物から人間へ。縄文文化が生まれ、伝えられていったきっかけは「定住生活の始まり」

私たちに生きる縄文の遺伝子 2月・縄文劇場の開幕

もはや動物ではない

写真/十日町市博物館

信濃川と清津川の合流点付近の河岸段丘上では、縄文時代草創期の遺跡が数多く発掘されている。縄文劇場開幕の地のひとつ、「本ノ木・田沢遺跡群」として2019年10月16日に国の史跡に指定された。

もはや動物ではない

文=小林達雄(考古学者)

私たちの祖先は日がな一日、飢を凌ぎ、体力増強のために次の食材を頭に浮かべては動き回っていた。自然の秩序の隙間を縫って生きたシカやイノシシなどの動物と似ていた。

その終止符を打つときがきた。数万年の自然環境への適応を通して可食物を発見し、いちいち命名しながら食品リストを充実させ、遠出しなくても近間だけで賄えるようになった。

定住的ムラ生活が実現し、新たな仲間付き合いが始まると、老人は子供のお守りをするようになる。老人が孫に知識を与え、可愛がることで、縄文文化は伝達されていった。

もはや動物ではない人間意識を自覚する契機ともなった。悲喜交々(こもごも)の人生模様の開幕である。

私たちに生きる縄文の遺伝子

『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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