美容・健康

美容皮膚科医が注目する、抗加齢医学の最新キーワード「老化は病気」とは?

365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。記事一覧ゲストの一覧

【お悩み】アンチエイジングの最新トピックスが知りたい

いつまでも若々しくいたいです。アンチエイジングの最新の話題を教えてください。

【回答】あらゆる科学を総動員して挑む「抗加齢医学」に注目を

「アンチエイジング」という言葉には、様々な意味づけがありますが、肌を例に考えてみると、シミやシワ、たるみなど「加齢によるネガティブな変化に抗おうとすること、よりよい状態を維持しようとすること」といえそうです。加齢は、肌に限らず全身で進むもの。食べるものに気を使い、体力作りに励む方も多いでしょう。

いま、そんな加齢による体の変化を、科学的かつ多角的に解明し、対応しようとする医学研究「抗加齢医学」への関心が一段と高まっています。

抗加齢医学にも精通する美容皮膚科医・小柳衣吏子先生にホットなキーワードを伺いました。

「老化と加齢とは別モノ」
現代医学にパラダイムシフトが!?

「2020年9月の日本抗加齢医学会総会で、最も興味深かったのが、“老化は病気である。病気だとすれば、治療することも、予防することもできる”という世界的なコンセンサスに関する講演でした」(小柳先生)

老化は、病気?頭の中にハテナマークが……。解説していただきましょう。

「加齢とは、年齢を重ねること。生まれたからには不可避であり、これまでは“加齢=老化”と認識されていました。実際、加齢と老化を、ほぼ同義語として使っていますよね。

それを、“今後、加齢と老化は別モノと認識しよう”というのです」(小柳先生)

老化を病気として研究し、治療法を構築できれば……

加齢は「年齢を重ねること」、老化は「老化という病気」、と分けることで、何がどう変わるのでしょう。

老化を、糖尿病やがんのような病気として捉えて研究すること。そして、糖尿病やがんを治療するように、老化を治療する、ということ。これにより、次のような解釈が成り立つのでは、と小柳先生は言います。

「多くの病気の“上流”には老化があり、老化がそれぞれの病気に拍車をかけています。ということは、老化という病気を治療できれば、他の疾患の進行を遅らせることができるかもしれません。

また、病気には、予防できるものもあります。老化という病気に予防を講じれば、より良い状態で年齢を重ねられると考えられるのです。現在、老化した細胞だけを選択的に除去する薬剤の研究などが進んでいるとのことで、本当に目が離せません!」(小柳先生)

アンチエイジングからウェルエイジングへ

ところで、ここ最近、アンチエイジング(anti-aging)という言葉に代わって、プロダクティブエイジング(productive aging)や、サクセスフルエイジング(successful aging)といった言葉を聞いた方もいるでしょう。

「美容皮膚科医として私が掲げるのは、ウェルエイジング(well aging)、加齢と上手に付き合いながら、よりよく年を重ねること。ですから、“加齢と老化を分けて考えよう”という最新医学の流れに得心しました。加齢はするが、老化はしない。まさに、私自身が目指すところでもあります」(小柳先生)

小柳衣吏子/Eriko Koyanagi

東京・六本木の美容皮膚科「アオハルクリニック」院長。1998年順天堂大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て、2011年アオハル クリニック院長に就任。同クリニックのコンセプトは「ウェルエイジング=よりよく年齢を重ねる」。その実践とともに、皮膚科のみならず様々な領域に関心を寄せて研鑚を積む。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。アオハルクリニック:https://aohalclinic.jp/

※小柳先生のお名前の「柳」の字の正しい表記は、木偏に夘です。

イラスト/umao 取材・文/佐野有子


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