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多才多作の芸術家自らが手がけ、建物全体が“作品”。京都府立堂本印象美術館

心潤す緑陰の美術館へ 第9回(全10回)作品と向き合うことで感性を磨く、知的好奇心を満たす、あるいは心身をリフレッシュする……。目的はさまざまですが、いつ訪ねても「心潤す時間」をもたらしてくれるのが、美術館の第1の魅力です。夏休みシーズン。喧騒から離れた涼やかな美術館で心潤う休日を過ごしてみませんか。第1部はアートな遠足、第2部はアートな自由研究をテーマにお届けします。前回の記事はこちら>>

第2部 深く知る楽しみ“アートな自由研究”
京都府立堂本印象美術館[京都・衣笠]

堂本印象(どうもと・いんしょう)

堂本印象(どうもと・いんしょう)
1891(明治24)~1975(昭和50)年。京都市に生まれ、西陣の龍村工房を経て、日本画家を志し、京都市立絵画専門学校に入学。第1回帝展入選以来、受賞を重ね、一躍画壇の花形となる。多才多作で華麗な画才の持ち主だったが、生涯日本画の可能性を探求し続けた。

絵画にとどまらないマルチな才能がここに集結

明治時代に京都に生まれ、大正、昭和を通じて、日本画壇に多大な功績を残した画家・堂本印象。日本と西洋、具象と抽象の枠にとらわれることなく、常に新しい創造や独自の表現に挑戦し続けた唯一無二の芸術家といわれています。

構想スケッチ

館内装飾のために描かれた柱「創見」(左上)、館内壁面(右上)、門扉(下)の構想スケッチ。エネルギッシュな創造力と美術館建設への強い思い入れが見てとれる。

伝統的な日本画を起点に風景画や花鳥画、宗教画などを多数描き、戦後は抽象表現へと向かい、彫刻や陶芸、漆芸、ガラス、金工まで創作の域を広げます。さらに1952年の渡欧で目にした個人美術館を参考に、1966年75歳のときに自身の美術館を完成させました。

堂本印象 《維摩(ゆいま)(部分)》

堂本印象 《維摩(ゆいま)(部分)》 1923年 225×166センチ 絹本着色・三面 京都府立堂本印象美術館蔵大乗仏教の「維摩経」に登場する維摩を描いた作品。ほかに文殊菩薩を描いた二面がある。

堂本印象《下絵 四天王寺宝塔内壁画釈迦如来(部分)》

堂本印象《下絵 四天王寺宝塔内壁画釈迦如来(部分)》 1939年 274×91センチ 京都府立堂本印象美術館蔵戦火で焼失してしまった四天王寺宝塔内の仏画の下絵。印象作品の中でも仏画は多く、強い信念と信仰心をもって描いている。

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