美容・健康
2019/03/29
病気を治す力は、体を温めることで発揮されるという大原則があります。なぜなら治癒力を高めるには血流を促し、自律神経の働きをよくして、免疫力を上げる必要があり、それは平熱が36度9分前後という温かな体温が保たれる環境が望ましいからです。
例えば風邪を根本的に治す化学薬品のエビデンス(科学的根拠)はありません。熱や咳などの症状は軽減しますが、解熱剤や抗生剤は体を冷やし、治る力が低下するマイナス要因のほうが大きいのです。体は病気を治そうとして高熱を出し、痰にからんだウイルスを排出したくて咳を出すのです。その働きを止めてしまえば回復が遅れてしまいます。
ですから、風邪の場合は暖かな布団の中でゆっくり休み、温かな飲み物を飲むなどの養生を心がけ、病気をじょうずに経過させるほうが、治癒力が下がらず早く治るのです。
ちなみに鎮痛剤は痛みの原因を取り除くわけではなく、血管を収縮させて血の巡りを悪くし、体を冷やすことで痛みを感じないようにする薬です。そのときは症状が和らいでも、根本の原因は解消されず、活性酸素が発生して、かえって悪化させてしまいかねません。
その点、症状を取るだけでなく、治癒力の高い体づくりに貢献する漢方薬には、体を温めるものがたくさんあります。血の巡りをよくしたり、内臓の冷えを解消するものなどがあり、東洋医学の知識や所見の取り方に精通した医師ならば、あなたの体質や症状に合わせて、適切な薬を処方してくれるでしょう。(3)へ続く>>
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取材・文/宇津木理恵子 撮影/八田政玄
「家庭画報」2019年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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