美容・健康
2018/04/27
あらゆる病気が腸内環境の悪化から生まれるといっても過言ではないでしょう。腸内環境の悪化は、がんだけでなく、うつ病や認知症と関連した報告もみられます。しかし、腸内環境が良好に保たれれば、どんな病気も改善される可能性が高くなります。
そうはいっても、現在健康なかたがたには「腸を丈夫にしよう」という話は馬耳東風かもしれません。私も、苦しんで亡くなった母と同じリウマチを発症するまでは、自分の腸内環境に関心を向けたことはありませんでした。腸管免疫の研究も、自らの治す力を引き出したいという一念から始まったものです。
人は危機的な状況に陥ったときに腸内環境を良好に保たなければと、初めて思うのかもしれません。市民公開講座の参加者は、闘病中か、家族に病人がいるかたがほとんどです。
それまで一所懸命働いてきたけれど、定年を迎えたときに運悪くがんが見つかったというかたに、「気持ちを切り替えて、今までこき使ってきた体やおなかをいたわり上手に病気と向き合って、再発なしの一病息災を目指してがんばりましょう」と話したこともありました。ヤクルト400を毎日飲むなど、腸を大切にする暮らし方は何歳から始めても間に合います。
ここでは、私たちの消化器外科で行っている、手術前後に腸内環境をよくして回復力を高めるという、独自の取り組みについて述べてきました。この考え方を理解して、診療に取り入れている医療機関は今も少数派です。
しかし、“一隅を照らす”という言葉のように、私たちの外来を訪れたかたに、笑顔になって帰っていただける治療ができたら、それが千里先まで光を届ける一歩となるかもしれないと、自分にいい聞かせているのですよ(笑)。
・「腸能力」を生かす
(1)手術後の回復力に違いが出る「腸管バリア機能」とは?
(2)抗がん剤の副作用に負けない、強い腸を作る、グルタミンの力
(3)肌だけじゃない!腸内環境も「弱酸性」に保つことが重要な理由
・心と体に共鳴するエネルギー療法
(1)その不調“気”が原因かも?「心の奥の意識」が病気を引き起こす
(2)眠るべき、という意識を手放す!寝る30分前からの「簡単な儀式」を試して
(3)その腰痛、ストレスが原因かも。“気”の通りをよくして腰をラクに
・脳内ホルモンを活性化する
(1)脳内ホルモンは心身を整え、治癒力を高める“天然の薬”
(2)健康増進&若返りに!脳内のセロトニン活性化を促す「生活習慣」のコツ
・細胞から元気になる
(1)細胞の老化を防ぐ「山田式ファスティング」とは?
(2)ストレスに負けない心と体をつくる!細胞の「修復力」を引き出すヒント
・“冷えない体”をつくる
(1)川嶋朗先生に聞く、生涯の健康の鍵「冷えない体」のつくり方
(2)朝にジュース?その健康法は知らないうちに体を冷やしている
(3)がんこな冷えの解消には、体内酵素の働きも重要
「金曜連載_医学」その他の記事はこちら
抗がん剤の副作用に負けない、強い腸を作る、グルタミンの力
がんになった医療者の治療選択と向き合い方。林 祐樹さん 第2回
初診・医師にはじめて会ったとき「どうしましたか?」にどう答えるか
→「#金曜連載_医学」をもっと見る
取材・文/宇津木理恵子 撮影/八田政玄
「家庭画報」2018年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.
Loading