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フランス特別取材。アンリ・マティスが病を癒やした中世の町へ

2023.05.26

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アンリ・マティス 希望の色と光 第5回(全6回) 世界中の人々の心を捉えて離さない20世紀を代表する画家、アンリ・マティス。作風や技法を常に変化させ、彫刻やステンドグラスを含め多くの作品を遺した偉大な芸術家が創作し、暮らした地を辿り、なぜ私たちがこんなにも彼の作品に惹かれるのかを探究します。前回の記事はこちら>>

病を癒やした中世の町。ヴァンスのアトリエと美術館


「夢」荘(ル・レーヴ)/ヴァンス美術館(ヴァンス)

ヴァンスのアトリエと美術館
「夢」荘(ル・レーヴ)
ヴァンス市の所有で、ウクライナからの避難民の一時宿泊所として活用されたことも。現在は非公開。


ヴァンスは、湧き水が溢れる泉が随所にある、中世の石畳の町。その町外れ、今は「アンリ・マティス通り」と名づけられた道沿いに、ロザリオ礼拝堂と、マティスが暮らしたヴィラ「夢」荘があります。

彼はここで第二次世界大戦の戦禍を避け、十二指腸がんの手術後の体をいたわりながら創作を続けました。国民的作家にしては小さな建物だと思われていたようで、友人のピカソは間違えて数軒先の大邸宅のドアを叩いたという笑い話も。

歩くことがほとんどできなかった当時のマティスは、おそらく1階で寝起きし、創作したと考えられています。現在、室内は全面的に改装されていますが、庭では、彼が描いた椰子の木が背を伸ばし続けています。

石畳の旧市街には、小さいながらも充実したマティス・コレクションを持つヴァンス美術館があります。マティスが見た色と光、風景を追体験することで、作品への理解がより深まります。

ヴァンスのアトリエと美術館デッサンやリトグラフなどのマティスの作品に加えて、アンリ・カルティエ=ブレッソンやロバート・キャパが撮影したマティスの写真も展示。アンリ・マティス《JAZZ》1947年(2004年オリジナルより再版)ヴァンス美術館 Musée de Vence

ヴァンス美術館
Musée de Vence
2 Pl. du Frêne 06140 Vence
TEL:+33 4 93 24 24 23
https://www.museedevence.fr

マティス展

2023年8月20日まで 日時指定予約制
東京都美術館
https://matisse2023.exhibit.jp/

絵画に加え、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、ロザリオ礼拝堂に関する資料まで、各時代の代表的な作品を一堂に展示。





〔特集〕アンリ・マティス



01 アンリ・マティス希望の色と光

02 生誕の地 北フランス“灰色の地”で絵画に目覚める

03 創造の場 南フランス。色と光に出合う

04 色と光が祈りを包む、マティスの最高傑作

05 病を癒やした中世の町。ヴァンスのアトリエと美術館





この特集の掲載号
『家庭画報』2023年6月号



『家庭画報』2023年6月号


撮影/小野祐次 取材・文/安藤菜穂子 コーディネート/大島 泉 協力/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館 ポンピドゥー・センター 朝日新聞社 NHK NHKプロモーション アンリ・マティス財団(Succession H.Matisse)
『家庭画報』2023年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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