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【声に出してみたい古典】切磋琢磨は「詩経」の時代から使われていた言葉

2023.05.02

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5月・切磋琢磨

「詩経」

淇水という川のほとりには緑の竹が見事におい茂っていました。そこに美しく文才のある君子がいて骨や角を削り、石を打って磨き、美しく整えるように自分自身を磨いて努力していました。学問をし、心を広くし、明るく輝いている―そのように力強く、心ある君子を私たちは長く忘れることができないのです。「切(せっ)するが如く磋(さ)するが如く、琢(たく)するが如く磨(ま)するが如し。」

選・文=加賀美幸子(アナウンサー)


皆様は今日も切磋琢磨されたのではないでしょうか。切磋琢磨という言葉を聞かない日はほとんどないくらい私たちはこの言葉を日常使います。学校で、研究の場で、職場で、家で…一生懸命生きようとすることを表す象徴的な言葉です。

でもこの言葉は、紀元前からすでにあったのです。中国で一番古い「詩経」という詩集の中に切磋琢磨という詩が入っています。孔子が編纂したと言われる詩集です。孔子といえば紀元前約500年の人。編集・編纂ということは、もっと前、もっと古くからあったのです。

日本はまだ縄文時代。そのころから「詩経」の中に切磋琢磨という詩は存在していたのです。時代を超え、国を超え、地域を超えて、人々は常に切磋琢磨してきたのだと、改めてこの言葉の力と意味を感じます。長い年月古びることなく新鮮に励まされる言葉です。

イラスト/髙安恭ノ介

イラスト/髙安恭ノ介

アナウンサー・加賀美幸子さんの朗読と解説を音声でお楽しみください!

こちらからご視聴いただけます>>

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『家庭画報』2023年5月号掲載。 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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