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家族歴のある女性は特に気をつけたい「くも膜下出血」、予防法は?

2023.04.05

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天野惠子先生のすこやか女性外来 第11回(03)脳卒中は、日本人が要介護になる原因の第2位、死因の第4位となる怖い病気です。女性の脳梗塞や脳出血は高齢で発症することが多く重症化しやすく、女性のくも膜下出血は男性より多いなど、さまざまな性差があることをご存じでしたか?生涯、脳の血管が健康であるために、今、知っておきたい大事なお話を伺いました。前回の記事はこちら>>

起こすと危ない。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血


天野惠子(あまの・けいこ)先生
天野惠子先生静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

くも膜下出血の主な原因は「脳動脈瘤の破裂」
瘤ができやすい体質がある


くも膜下出血は脳の表面に近いくも膜の下に生じる出血で、80~85パーセントは脳の血管にできた瘤(脳動脈瘤)が破裂して起こります。脳卒中の中でも死亡率や重い後遺症を残すリスクの高い病気です。


人種的にも日本人は多く(人口10万人あたり22.7人)、血管に瘤のできやすい体質があるため家族に既往歴のある人は特に注意が必要です。

典型的な症状は激しい頭痛、意識障害、嘔吐ですが、頭痛をほとんど感じない場合も少なくありません。

女性のくも膜下出血は男性より多い
60歳以降、男性を大きく上回る


脳卒中の中でもくも膜下出血は、女性が特に気をつけなければならない病気です。

下の棒グラフが示すように50代まではやや男性が多いのですが、60歳を過ぎると圧倒的に女性が増え、円グラフが表すようにトータルでは男性より女性に多く発症しています。

60歳以上の女性の発症は男性を大きく超える
●くも膜下出血発症の年齢分布(男女別)

棒グラフ

●くも膜下出血の男女別発症割合
くも膜下出血の男女別発症割合

グラフ2点とも1999年4月から2013年12月までに島根県立中央病院に入院した破裂嚢状脳動脈瘤543例( 男性156例、女性387例)を対象に調査。井川房夫他 脳卒中の外科 43:262~266,2015

その原因ははっきりわかっていませんが、男女を問わず、家族の病歴のほか高血圧、喫煙、過度の飲酒などが動脈瘤破裂のリスクファクターとされています。

脳動脈瘤が見つかったら
血圧コントロールをしながら脳MRA検査で経過観察を


MRA

脳卒中は多くの場合、起きるまで無症状です。50歳の節目に脳のMRI(断層撮影)検査やMRA(血管撮影)検査を受けて脳の健康状態や未破裂動脈瘤の有無を調べましょう。

くも膜下出血の予防は、何といっても脳動脈瘤を破裂させないこと。脳動脈瘤は破れるまで無症状のため、まず50歳になったら脳のMRA(血管撮影)検査を受けて未破裂動脈瘤(破裂する前の動脈瘤)の有無を調べましょう。

見つかった場合、瘤の大きさによって破裂のリスクが異なりますが、医師と相談しながら経過観察を行い、場合によっては手術などの治療が必要になります。自分でできる最も効果的な予防法は血圧コントロールです。
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