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女性の糖尿病は男性以上に高リスク! 更年期以降は血糖値を上げない生活を

2022.11.16

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天野惠子先生のすこやか女性外来 第7回(01) 「女性たちにこそ、糖尿病の怖さを知ってほしい」と天野先生は声を大にして呼びかけます。女性の糖尿病は、男性よりも高いリスクで心臓や脳の重大な血管疾患を引き起こすからです。更年期以降、血糖値は、症状のないまま徐々に上がっていきます。さっそく健康診断の結果の血糖値を確認してみましょう。“少し高め”でも油断は禁物です。

糖尿病に“性差”があることを知っていますか?
心筋梗塞や狭心症のリスクを高める女性の糖尿病


天野惠子(あまの・けいこ)先生
天野惠子先生

静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

血糖値が抑えられているのはエストロゲンのおかげ
「女性の糖尿病は、あなたが思う以上に怖い病気です。血糖値を上げない生活を」── 天野惠子先生


血液中の糖の値(血糖値)が高い状態が続く糖尿病の総患者数は、予備軍も含め約2000万人。怖い病気だと漠然とわかっていても、「血糖値は正常だし私は大丈夫」と油断している女性が多いのが実情です。

しかし更年期を過ぎると、血糖値を低く抑えていたエストロゲンの分泌が減少。血糖値は徐々に高くなり、無症状のまま気づかず、いつの間にか要注意領域に足を踏み入れることになりかねません。悪化すると重大な合併症を起こし、認知症の発症にもつながるといわれています。

女性の糖尿病は男性より血管の病気を起こしやすい


特に知っておいてほしいのは、この病気にも性差があり、女性の糖尿病は男性に比べて心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など重大な血管性障害の原因となるリスクが高いことです。家族歴や高血圧、喫煙習慣のある女性は、男性より糖尿病になりやすいこともわかっています。

今一度、健康診断の結果を確認してみましょう。糖尿病手前の境界型や少し高めの正常高値でも、インスリンが出にくくなったり働きが悪くなったりと体は徐々に変化し始めており、糖尿病への黄色信号は点滅しています。

糖尿病の多くは生活習慣の関与で発症しています。つまり食事・運動の改善や減量によって予防することができる病気なのです。

次回は、女性の糖尿病が血管に及ぼす影響について詳しくご紹介していきます。




*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:http://www.nahw.or.jp/hospital-info

*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。

公式サイト「女性外来オンライン」:https://joseigairai.online/

YouTube「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>>

天野惠子先生のすこやか女性外来

1「更年期は女性の体の“変化のはじまり”」
1−1 更年期と“その後”の元気のために、体の変化を知りましょう
1−2 女性の健康の守り神・エストロゲンがゼロになったら、生活習慣で補いましょう
1−3 更年期の不調や病気予防に! 女性医療の先駆者が教える生活習慣の「基本5か条」
1−4 女性外来を訪ねて「伊豆美レディスクリニック」

2「だるさ、頭痛、冷え、動悸も。更年期の不調は全身に」
2-1 10年間、我慢するのはもったいない。自分に合う対処法を見つけましょう
2-2 更年期の症状が全身に出るのはなぜ? 訴えの多い10の不調と対処法
2-3 更年期症状の程度を知り、適切な対処法を。専門医も使う簡易テストでセルフチェック!
2-4 女性外来を訪ねて「春日クリニック」

3「不眠、イライラ、うつ、思考力低下。更年期は心も脳も不安定」
3-1 不眠、イライラ、うつ、思考力低下…。更年期のメンタルの不調を正しく知ろう
3-2 更年期のメンタルヘルスを左右する3つの物質とは。減少すると起こる不調は?
3-3 更年期のメンタルを改善するには? 症状に応じた漢方薬や生活習慣の見直しを
3-4 女性外来を訪ねて「こころとからだの杉本クリニック」

4「女性の元気を支える“骨・筋肉・血流”の三本柱」
4-1 更年期以降の人生を健やかに過ごすには、“骨・筋肉・血流”の三本柱が大切です
4-2 骨量と筋肉量は何歳からでも改善できる! まず年齢による変化を知りましょう
4-3 脳と心臓の健康を保つカギは「血流」。動脈硬化を防ぐために注意したい3つのリスク
4-4 女性外来を訪ねて「和歌山ろうさい病院 女性専門外来」

5「骨粗しょう症を予防し、“転んでも折れない骨”をつくる」
5-1 骨粗しょう症を予防するために、骨量維持は更年期女性の重要な“ミッション”!
5-2 “女性であること”が骨粗しょう症のリスク!? 骨量減少に気づくために5年に1度の骨密度検査を
5-3 骨は自分でつくるもの。骨粗しょう症を防ぐために、実践したい食事と運動とは?
5-4 女性外来を訪ねて「アットホーム表参道クリニック」

6「“高血圧なんて関係ない”は大きな間違い。今から減塩を」
6-1 自分には関係ないと思っていませんか? 更年期以降、誰にも高血圧のリスクが生じます
6-2 加齢とともに女性の血圧は3段階で変化します。自分の“高血圧リスク”を知って対策を
6-3 血圧を下げるための7か条とは? 自然に減塩できる野菜スープのレシピも
6-4 女性外来を訪ねて「山梨県立中央病院 女性専門家」

7「心筋梗塞や狭心症のリスクを高める女性の糖尿病」
7-1 女性の糖尿病は男性以上に高リスク! 更年期以降は血糖値を上げない生活を
7-2 女性の糖尿病が血管に及ぼす影響は大!(11/30公開予定)
7-3 “糖尿病リスク”を知って、今から対策を(12/7公開予定)
7-4 女性外来を訪ねて「ソフィア北円山クリニック」(12/14公開予定)
撮影/鍋島徳恭 取材・文/浅原須美

『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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