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「副鼻腔炎」はなぜ起こる? 様々な原因とかかってしまった際の治療法を解説

2022.11.11

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専門医に聞く 今、気をつけたい病気 第11回(02) 膿のような鼻汁、鼻づまり、嗅覚障害があらわれる副鼻腔炎。日常生活に差し支えるなら治療が必要です。多様なタイプがある副鼻腔炎について、現在、日本鼻科学会で作成中の「鼻副鼻腔炎診療の手引き」の作成委員長である清水猛史先生(滋賀医科大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 教授)に伺います。前回の記事はこちら>>
〔解説してくださるかた〕
滋賀医科大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部 外科学講座教授
清水猛史(しみず・たけし)先生

●前回の記事
鼻汁や鼻づまり、においがわからない…。身近な病気「副鼻腔炎」とは?

細菌や真菌の感染、歯根の炎症や気圧の変化など原因は多様


副鼻腔炎は、症状が出ている期間から、急性と慢性に分けられます。「急性から慢性に移行する例は多くはなく、病態が異なります」。

急性副鼻腔炎は、風邪をひいたときによく起こります。ウイルスに感染して風邪の症状が出たとき、最初は透明な鼻水が出ますが、荒れた粘膜に細菌が感染すると、そのうち黄緑色の粘りのある鼻水に変化し、鼻がつまります。その際に頭痛や顔面の痛み、発熱を伴うこともあります。このような症状は通常は数週間で治ります。

なお、子どもは感染を起こしやすいため、急性副鼻腔炎を繰り返すことが多く、「子どもは大人よりも急性副鼻腔炎から眼窩内感染などの重大な合併症を起こしやすいので、発熱や強い頭痛などに注意してほしいですね」と清水先生。

一方、慢性の副鼻腔炎は症状が12週間以上続くものを指します。

細菌の持続的な感染のほか、真菌(カビ)による副鼻腔炎もあります。真菌性副鼻腔炎は高齢者に多く、無症状のこともありますが、進行して目や脳に炎症が及ぶケースもあるので、症状の悪化に気をつけることが重要です。

「虫歯などによる歯根の炎症が副鼻腔にまで及んで、慢性副鼻腔炎の原因になることもあります」。人によっては気圧の変化で副鼻腔に痛みを生じる場合があります。



●鼻の構造


鼻の構造

鼻の鼻毛の生えている部分から奥が鼻腔で、真ん中には左右の鼻の穴を隔てる鼻中隔がある(鼻中隔が曲がっている場合には鼻づまりなどが起こりやすい)。鼻腔の奥には4つの副鼻腔(前頭洞、篩骨洞〔しこつどう〕、上顎洞、蝶形骨洞)がある。においは鼻腔の上部の嗅粘膜で感じている。

●鼻腔と副鼻腔


鼻腔と副鼻腔

鼻腔は空気の通り道で、鼻腔の粘液がゴミなどの異物をとらえて除去し、加湿する役割を持っている。鼻腔や副鼻腔は常に外の空気にさらされるため、感染や花粉・ダニなどの異物によるアレルギー反応が起こりやすい。

●副鼻腔炎の症状


副鼻腔炎の症状

鼻腔と副鼻腔に炎症が起こると粘膜が腫れて、膿のような黄緑色の鼻汁が出る、鼻づまりが原因で呼吸がしにくくなる、においがわからなくなるなどの症状が出る。鼻汁が鼻やのどに流れる鼻漏・後鼻漏が気になる人も多い。

●ポリープ(鼻茸)が鼻道を塞いで鼻づまりに


ポリープ

鼻腔や副鼻腔の慢性的な炎症が原因で、ポリープ(鼻茸)ができることがある。ポリープは形が多様で、いくつものポリープがつながって大きくなる場合もある。好酸球性副鼻腔炎では切除しても再発しやすい。




慢性副鼻腔炎では、鼻腔や副鼻腔の粘膜が腫れ、空気や鼻汁の通り道が塞がれます。粘膜の腫れが高じると粘膜が変性して硬くなったり、ポリープ(鼻茸)を形成したりすることもあります。そうして膿性鼻汁がたまったまま出にくくなり、粘膜の働きも落ちて、炎症がさらに悪化します。

このような慢性副鼻腔炎では鼻腔や副鼻腔の粘膜に免疫細胞の好中球が増えているのが一般的です。

ところが、別の免疫細胞である好酸球が非常に増えている慢性副鼻腔炎があります。この好酸球性副鼻腔炎は喘息を伴うことが多く、近年、患者数が増えています。治療が難しく、再発を繰り返すのが特徴で、2015年に診断基準が設けられ、国の指定難病になっています(下のコラム参照)。



近年、患者数が増えている好酸球性副鼻腔炎


好酸球性副鼻腔炎は、粘りのある鼻汁、鼻づまりだけでなく、ポリープができやすく、嗅覚障害が強いのが特徴です。原因はわかっていません。

「喘息患者さんは慢性副鼻腔炎になりやすく、特にアスピリンを飲んだときに喘息が出る患者さんでは好酸球性副鼻腔炎を併発する率が高いです」。

治療として、ステロイドの点鼻や噴霧、症状が強いときには短期間のステロイドの内服といった薬物療法と内視鏡による手術が行われます。「手術後には鼻洗浄などセルフケアにも気を配っていただきたいですね」と清水先生。

上記の治療が効かない場合には、2020年に保険適用された抗体薬の注射も選択肢です。この薬はアレルギーに関連する情報伝達物質を抑制して炎症を抑える効果があります。

2週間に1回の皮下注射で、最初は医療機関で、その後は原則として自己注射になります。症状が安定すれば4週間に1回への変更も可能です。



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