アート・カルチャー・ホビー

伊礼彼方さんが名作ミュージカル『ミス・サイゴン』で“勝負の役”に挑む!

〔今月のミュージカル・演劇〕

※この情報は、掲載号の発売当時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

ミュージカルの極意「レジェンドの背中を追う」

伊礼彼方さん

『ミス・サイゴン』を初めて観たとき、その楽曲の美しさに感動しつつも、救いのない悲しい物語とのギャップに驚愕しました。当時クリスを演じていた井上芳雄さんに最後のシーンで泣かされたことを記憶しています。

今回、オーディション方式で訪れたチャンスは僕にとって“大きなステップ”です。全力で応えましたが、不安も残ってはいたので、受かったと聞いたときはガッツポーズをしました。

周りのかたからは「初の帝劇のセンターに立つ役だね」とおっしゃっていただくので、意識し始めました(笑)。

『レ・ミゼラブル』のジャベールは孤独な役でしたが、まったくタイプの違うエンジニアは“勝負の役”です。エンジニアが抱えていた混血であることのコンプレックスや孤独は、僕にも通じることがあるので、僕自身のアイデンティティも生かせると感じています。

エンジニアは、自身が生き延びるために多種多様な手段を用いる人物ですが、どうすればそのハイエナのような精神状態を体現できるのかを自問自答しています。

製作発表の当日にエンジニアを演じる4人で「アメリカンドリーム」を収録しました。

既に舞台で演じられている市村(正親)さんが歌うことでエンジニアが舞い降りてくる瞬間を垣間見た気がしました。立ち方や仕草に役がどんどん甦っていくようだったんです。

僕も早くその境地に辿り着きたいですが、今回はやるべきことの一つ一つを丁寧に創り上げたいと思います。

ミュージカルは歌やダンスのスキルを重要視しがちですが、それらは芝居心があってこそ生かされるもの。僕は常に芝居を大切にしていますが、それをメロディに乗せることでより感情が伝わりやすく表現できるとも思います。

伊礼彼方(いれい・かなた)

1982年、神奈川県出身。沖縄県出身の父とチリ出身の母の間に生まれ、幼少期はアルゼンチンで過ごし、その後横浜へ。中学時代から音楽活動を始め、ミュージカルと出会う。2006年にミュージカル『テニスの王子様』でデビュー。2008年にミュージカル『エリザベート』のルドルフ皇太子役に抜擢。その確かな歌唱力と表現力でミュージカル作品に限らず、幅広いジャンルで活躍している。

ミュージカル『ミス・サイゴン』

『ミス・サイゴン』

『レ・ミゼラブル』を手がけたクリエイティブチームによってその第2弾として製作され、日本の初演では1992年の帝国劇場で1年半のロングラン以来、再演を重ねてきた大ヒット作品。

ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、エンジニアが経営するキャバレーで出会ったベトナム人の少女キムと米兵クリスが愛し合い、別離し、運命的な再会をする物語がすべて歌で表現される。

出演はエンジニア役の市村正親、駒田 一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希、昆 夏美、屋比久知奈、クリス役の小野田龍之介、海宝直人、チョ・サンウンほか。

帝国劇場
●2022年7月24日~28日(プレビュー公演)
S席1万3000円(全席指定)ほか

●2022年7月29日~8月31日(本公演)
S席1万5000円(全席指定)ほか

東宝テレザーブ:03(3201)7777
URL:https://www.tohostage.com/miss_saigon/
※大阪、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉公演あり

※この情報は、掲載号の発売当時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

表示価格はすべて税込みです。

構成・文/山下シオン

『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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