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服部道子さん×鈴木大地さんに聞く、⼀流アスリートの“状況を好転させる⼒”を身につけるには?

株式会社Tポイント・ジャパンとカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 蔦屋書店カンパニーは、ツアー通算18勝で1998年の賞⾦⼥王であるプロゴルファー 服部道⼦さん初の著作『好転⼒』(世界⽂化社)の出版を記念して、「ビジネスにも活きる︕⼀流アスリートの“状況を好転させる⼒”をつけるには…︖」をテーマとした記念イベントを、2021年9⽉15⽇、「代官⼭ 蔦屋書店」とオンライン(Zoom)で開催。コロナ禍で開かれ、大きな関心を呼んだ「東京オリンピック」の舞台裏など、大変興味深い話が多かったこのイベントの模様をレポートします!

初代スポーツ庁⻑官の鈴⽊⼤地さんをゲストに迎え、密を避けて20名程度の来客と、オンラインでの視聴を中心にして行われたこのイベントは、2部構成で行われました。

服部道子さん×鈴木大地さん「好転力」対談服部道子さんと、鈴木大地さん。年齢も近い二人のトークはオリンピックの余韻を感じさせる熱いものになった。

第1部は服部道子さんの初著作『好転力』と東京オリンピック(服部さんは女子ゴルフ代表のコーチとして参加)などに関してのトーク。第2部は、Tポイント・ジャパンより、7000万人のT会員を対象にしたライフスタイルデータやアンケートから見える「コロナ禍でのゴルフの変化」や「コミュニケーションスポーツとしてのゴルフの未来」を統計データとともに発表しました。

(今回は第1部のトークショー部分をお届けします)

服部道子さん×鈴木大地さん「好転力」対談代表コーチとして参加し、日本ゴルフ界初の五輪メダルをもたらせた服部道子さん。

自分の中にいる“もう1人のコーチ”が銀メダルに導いた

第1部の冒頭で、事前に『好転力』を読んだという鈴木大地さんが「共通の知人が多く登場するので共感しながら読めた。こんなに内容の濃い本は久しぶりでメモするところだらけだった。そのメモは忘れてきてしまいましたが(笑)」とコミカルに絶賛。

司会者に「東京オリンピック女子ゴルフ銀メダリストの稲見萌寧選手はどういう選手か」と問われた服部さんは「有限実行型の人。大きい目標を掲げるタイプです。(実際のコーチのほかに)自分の中にもう1人コーチがいて、自分自身を客観的によく理解していて、自分は何が強いのかを冷静に見られるプレーヤー」と答えました。

加えて、「オンとオフがしっかりしていて、オリンピックのような大きな舞台でも本番は集中してやる一方で、空いている時間は牛乳とクッキーを食べたりしていて、自分なりの時間の使い方が上手いと思いました」と稲見選手の意外な一面を窺い知れる裏話を披露。

そして、「4年に1度の大きな舞台で、誰でも金メダルを取りたいと考えてしまうもの。ゴルフのような考える時間の長い競技ではとくに考えてしまいがちですが、彼女はそんな状況でも自分の空気感でプレーができていた。これが勝因だった気がします」と勝因を分析しました。

一方、本来ならスポーツ庁長官として“2020年の”東京オリンピックを迎える予定だった鈴木さんは今回のオリンピックの感想を聞かれ、「2013年にオリンピックとパラリンピックの東京開催が決まり、その2年後にスポーツ庁が発足。その長官に就任し、5年間務めさせていただきました。自国開催の大会を盛り上げるためには、自国の選手たちの活躍が必要。ですので、その強化に取り組んできました。これまでの日本は、レスリング、柔道、体操と水泳の4競技で夏季五輪の総メダル数の4分の3を取っていたんです。なんとかしてこれを他の競技にも広げなければいけないと様々な競技の強化に取り組みました。今回のような大会運営の面でも大変難しいなか、結果的には選手たちの頑張りでオリンピックは過去最多のメダル数、パラリンピックも素晴らしい結果となったことは無事成功と思っていいのでは、と思っています」と振り返りました。

同じく服部さんにもオリンピックの感想を尋ねると、「始まる前はどういうモチベーションで選手を送り出そうかなと思っていました。直前までは、どちらかと言えばネガティブな意見のほうが多かったと思います。でもオープニングセレモニー(開会式)で世界各国の選手たちが入場するのを見て、個人的には『本当に(このような状況下でも)来てくれたんだ』という感動がありました。そして女子ゴルフの試合はクロージングセレモニー(閉会式)の前日までだったので、柔道や卓球などそれまでの競技のいろいろな選手から力をもらいましたし、男子ゴルフの松山さんのプレーも本当に力になりました。それらが力となり、女子ゴルフ初めてのメダルという結果につながって嬉しく思います」と安堵の様子。

開催前からの世論などもあって、複雑な心境のなかでの大会だったことをにじませました。

服部道子さん×鈴木大地さん「好転力」対談スポーツ庁長官退任後も、広くスポーツ振興に粉骨砕身する鈴木大地さん。東京オリンピックの影の立役者と言える。

著書『好転力』には「コロナ禍で何かのエールになれば」という想いを込めた

このタイミングで『好転力』を書いたきっかけを問われた服部さんはこう振り返ります。

「私は自分のことを話すのが得意なほうではないんです。ですので『そろそろ本を出してもいいんじゃない?』とお誘いを受けたのがきっかけです。書き始めてすぐコロナ禍になってしまいました。悶々とした世界の中で、なんとかこの状況を打破していかなくてはいけない、という感覚が、ゴルフの“思うようにいかない”という感覚に何となく似ているなという気がしたのです。ゴルフで学んだ“苦しいときにはものの見方を変えること”や、私がお世話になった方々から頂いた言葉などが何かのエールになればいいなと思って書きました」。

鈴木さんも『好転力』から受けた刺激をこう語ります。

「好転力って自分に欠けているところだと思ったんです。身体が柔らかいので“捻転力”はあるんですけどね(笑)。内容はいろいろと勉強になりましたが、特に服部さんが(アメリカの)大学生だった当時、血液をとって身体に足りない成分を補うという話があって、そんな昔から大学レベルでそんな(科学的な)ことをアメリカでやっていらしたのを読んで驚きました」。

服部さんは本の帯に錚々たる方々から推薦のコメントが掲載されていることを問われ、「ゴルフは大会やトーナメントは企業の支援をいただいて成り立っているので、そうした関係で交流のあった方々に事前に読んでいただき、ありがたいことに推薦の言葉を頂けました」と推薦コメント掲載のいきさつを説明しつつ「また、私がプロデビューした頃は、まだ女性が家庭に入ることが多い時代でしたが、いまは女性の力が社会にとって必要な時代です。ですから今の女性の方にも読んでいただけたらな、という思いがあります」と本書が社会で活躍する女性に向けても書かれていることを明かしました。

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