美容・健康

出かけない・会わない・話さない「脳の活動量低下」が“コロナうつ”を引き起こす

人の性格や行動に強い影響力を持つ大脳の領域は8系統に分類される

「私が名付けた脳番地(同じような働きをする神経細胞の集まり)は、脳全体で120あり、大半は大脳に属しています。このうち、私たちの行動に強い影響力を持つ脳番地を機能別に分類すると8系統に分けられます」と加藤先生は説明します(下の図参照)。

8系統の中で理解系、聴覚系、視覚系、記憶系は外から情報を取り入れるインプット型、思考系、伝達系、運動系は取り入れた情報を処理・加工して表現するアウトプット型で、感情系は両方の要素を備えています。

●8系統の脳番地の場所

8系統の脳番地の場所

複数の脳番地は連携しながら機能しており、そのネットワークが緊密であればあるほど脳の機能は強化される。

(1)思考系脳番地…自発的な考えや発想、行動を促す
(2)感情系脳番地…喜怒哀楽などの感情表現にかかわる
(3)伝達系脳番地…自分の気持ちや考えを人に伝える
(4)運動系脳番地…体を動かすこと全般にかかわる
(5)理解系脳番地…物事を理解したり推測したりする
(6)聴覚系脳番地…耳で聞いたことを脳に集める
(7)視覚系脳番地…目で見たことを脳に集める
(8)記憶系脳番地…情報を脳に定着・蓄積させる

『脳とココロのしくみ入門』(加藤俊徳著・朝日新聞出版刊)を参考に作成

●8系統の脳番地の役割と特徴

(1)思考系脳番地
思考系脳番地は、前頭葉の前頭前野にある。思考や意欲、創造力など高度な機能を司り、判断力や集中力を使って物事を実行する機能が集まっている。目標実現のために強い意志を持つと、理解系、聴覚系、視覚系、記憶系の脳番地に明確な指示を出し、脳全体をリードする司令塔のような存在。

(2)感情系脳番地
感情系脳番地の中心は、脳の深部にある扁桃体で、老化が遅く、生涯にわたって成長し続ける。隣にある記憶系脳番地とのかかわりが密接で、そのため喜びや悲しみを伴う経験がいつまでも記憶に残ったりする。思考系脳番地とは相関関係にあり、感情が不安定だと思考も揺さぶられてしまう。

(3)伝達系脳番地
伝達系脳番地には、言葉で伝える言語系(左脳)とジェスチャーなどで伝える非言語系(右脳)があり、「話し上手な人」は左脳の伝達系脳番地が発達しているといわれる。聴覚系、理解系の脳番地とも密接につながり、話を聞いて内容を理解し返答する作業を共同で行う。伝わったことを確かめるために相手の表情を読み取る際には視覚系脳番地とも連動する。

(4)運動系脳番地
頭頂から左右に伸びる一次運動野にある運動系脳番地は、あらゆる脳番地の中で最初に成長を始める。体を動かすときは視覚系、聴覚系、思考系といった複数の脳番地も連動して使うため、脳の総合力が自然と高まる。また、皮膚感覚とのつながりも強く、感情系脳番地ともリンクする。

(5)理解系脳番地
理解系脳番地は、側頭部と頭頂部にまたがり、聴覚系脳番地を取り囲むような位置にある。耳や目から入ってきた情報を集めて理解するときに働く。ほかの脳番地と同様に言語情報は左脳で、非言語情報は右脳で処理する。文字や言葉から相手が伝えたかったことを推測するのも理解系の役割である。

(6)聴覚系脳番地
聴覚系脳番地は、左右の耳の内側にある。左脳側と右脳側では機能が異なり、たとえば歌を聴くときに歌詞に耳を澄ますのは左脳、メロディーを追うのは右脳で行われる。理解系、記憶系の脳番地と連携し、聞いたことを脳に定着させたり蓄積したりするのも聴覚系脳番地の役割となる。

(7)視覚系脳番地
視覚系脳番地は、後頭葉にある一次視覚野のほか、前頭葉にもある。左脳の視覚系脳番地は文字を読むときに、右脳のそれは画像や映像を見るときに使われる。この脳番地を細かく分けると「見る」、「動きを捉える」、「目利きをする」の3つの番地があり、単に物を見るだけでなく意図的な眼球運動や物の良し悪しの区別にもかかわっている。

(8)記憶系脳番地
記憶系脳番地は、側頭葉の内側部と下部にあり、記憶の形成・蓄積に深く関与する「海馬」を中心に位置する。また、小脳も記憶系脳番地の役割を担う。記憶には書物や教わったことから得られる「知識の記憶」と経験にもとづく「感情の記憶」があり、思考系や感情系の脳番地と深くつながっている。

脳はさまざまな情報を吸収し経験を多く積むことで成長する

脳番地は、さまざまな情報を吸収し多くの経験を積むことで成長していくため、使い込まれている脳番地ほど脳(大脳皮質・白質)の枝ぶりが太くなります。

「脳が本格的に刺激を受け、成長を始めるのは社会に出てからで、その勢いが最も強くなるのが20代~40代です。社会人になると求められる役割も能力も人それぞれ違うため、使い込まれる脳番地も異なってきます」。

たとえば、人に自分の考えを伝えることの多い営業マンは伝達系脳番地が発達しやすく、蓄えた外国語の知識を使って仕事をする翻訳家は記憶系脳番地が特に発達しています。

そして、「使い込むことで脳の個性が形づくられ、性格、行動、コミュニケーションなどあらゆることに影響を及ぼします」と加藤先生はいいます。

また、前述したように複数の脳番地は連携しながら機能しており、そのネットワークが緊密であるほど脳の機能は強化されます。

「活動的でいきいきしている人の脳は、この脳内ネットワークの連携が緊密で脳の枝ぶりも全体的によく成長しています」。

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