アート・カルチャー・ホビー
2021/05/18
小説、翻訳、エッセイ。いずれもひねりの効いたインパクトのあるタイトルと、期待に違わぬ内容や展開で読者を掴む松田さんの作品。
少し迷いながら選んでくださった、自選の3冊は?
『スタッキング可能』
(河出文庫)
デビュー作ですが、今自分で読んでも、面白いです。生きていると、そして同じ社会にいると、私たちは似通ってしまうところがあるけれど、でもやっぱりそれぞれ違うんだということを書きたかった。
『おばちゃんたちのいるところ』
(中公文庫)
いろいろ話しましたけど、カッコつきの、偏見にまみれた「おばちゃん」ではない本来のおばちゃん、生活し、喜び、怒り、生きている女性たちを書いています。
『女が死ぬ』
(中公文庫)
短い作品を50作以上収録した、わりとふざけ度の高い作品集です。美容院で、アシスタントの女性に髪を洗ってもらっているとき、彼女が“忙しくて、本当に本を読む時間がない”と言ったんです。忙しい人でも短いものなら読めるのではないかと思って、短い作品をたくさん書こうと思ったのが、この作品を書く動機でした。
1979年兵庫県生まれ。2013年、『スタッキング可能』でデビュー。2019年、『女が死ぬ』の表題作がシャーリイ・ジャクスン賞候補、2021年、『おばちゃんたちのいるところ』がLAタイムズ主催のレイ・ブラッドベリ賞の候補に。他の著書に『持続可能な魂の利用』、翻訳書にジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』など。公式Twitter@matsudaoko
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取材・構成・文/塚田恭子 撮影/大河内 禎 中島里小梨(静物)
© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.
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