美容・健康
2021/05/29
たんぱく質の多い肉や魚などはたっぷり摂って、炭水化物量を減らしていますが、同時に脂質も抑えたほうがいいですか?
以前は、油は健康に悪いと思われていましたが、現在ではその説は否定されているようです。北里大学北里研究所病院 糖尿病センター センター長の山田 悟先生の著書『世にも美味しい「ゆるやかな糖質制限ダイエット」 』より紹介します。
油は糖質ゼロの優れた食品
「油(脂質)が体に悪い」というのは過去の話で、海外では健康に対する油の効果が見直され、積極的にとる方向に。かの『TIME』誌は2014年に「Eat Butter」というタイトルで、長い間推奨されてきた脂質制限が誤りであったことを報じる特集記事を組み、世界中で話題になりました。
さらに「糖質制限においても油は糖質ゼロの優れた食品で、しかも糖質と一緒にとると血糖値の上昇を抑えてくれるすばらしい働きもあります。
油に対する誤った認識を改め、肉、魚、ナッツ、バターなど脂質が豊富な食品からも体によい油を、毎日バランスよくできるだけたくさんとりましょう」(山田先生)
脂質を毎日、バランスよく摂取する
以下に、代表的な脂質を含む6つの食品とその特徴をまとめましたので、ご参考になさってください。
1.肉……多種多様な脂肪酸を含む肉を食べる人は長生き
牛肉の脂質の約半分を占めるオレイン酸には悪玉コレステロールを減少させる働きが。豚肉や鶏肉にも必須脂肪酸や多価不飽和脂肪酸などが含まれている。
2.青魚……認知症の予防で注目されるDHAやEPAがたっぷり
青魚に豊富に含まれる不飽和脂肪酸のDHAやEPAは動脈硬化を予防するだけでなく、認知症の発症率を下げることも明らかに。毎日少量でも食べるほうが効果的。
3.ごま油……体内で作ることのできない必須脂肪酸をしっかり摂取できる
ごま油には、オレイン酸とリノール酸がバランスよく含まれている。
4.オリーブ油……酸化されにくいオレイン酸を豊富に含む
5.バター……効率的にエネルギーに変わる
バターの脂肪は消化がよく、効率的にエネルギーに変わる。ビタミン類も豊富。
6.くるみ……栄養素の60%を脂質が占めビタミン類やミネラル類も豊富
オメガ3脂肪酸を豊富に含む。
北里大学北里研究所病院 糖尿病センター センター長、食・楽・健康協会 代表理事。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。2011年より北里大学北里研究所病院糖尿病センター長。糖尿病専門医。糖尿病に関する臨床や研究活動とともに、2013年11月に一般社団法人「食・楽・健康協会」を設立し、社会に向けて「ゆるやかな糖質制限」の啓発と普及に精力的に取り組んでいる。
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