〔大賞〕
私の縄文日記
新川 昌子さん(埼玉県)

右に狩猟、左にものづくり、上段奥に採取をする人が並び、縄文人の生活を表現。縄文時代から自生する植物、カラムシを糸にして編んだ布や、麻、羊皮などで衣服を制作した。左中央の籠は、自宅近くの川に自生する植物のツルを使用。黒曜石のアクセサリーをつけている人形も。●人形は高さ13~36センチ 23体(舟は長さ35×高さ9センチ)
大口を開けて笑っている人、歯を食いしばって獲物を運んでいる人……。今にも動きだしそうな生き生きとした表情の人形に引き込まれます。山梨県笛吹市の釈迦堂遺跡博物館の土偶に魅せられた新川さんは、「縄文のムラ」を表現する大作を作り上げました。
縄文時代の暮らしについて、歴史館や講演会などに足を運び、資料を収集。本物の植物や貝殻など、「当時存在した素材」が作品の主な材料です。
特に注目したいのは、それぞれの体形に合わせて編まれた人形の衣服。当時の編みの技術を習得し、縄文人が着ていたとされる「編布(あんぎん)」を再現しました。見た人が笑顔になる、力強い作品です。
採取してきた食べ物を載せた舟を押す子どもたち。人形は、石塑粘土や木粉粘土を使って成形。木舟の上には、ドングリやクルミなどの木の実や、粘土で作られた野菜がたっぷり積まれている。まだ幼い子どもたちの息づかいや、喜びが伝わってくる。
●審査員より
「ユーモアに溢れた作品。それぞれの楽しそうな表情が素晴らしいです。明るく生きる、縄文人のパワーを感じます」(コシノさん) 
「家族や『生きること』といった人としての原点を想起させる作品。子どもたちが生きるために、楽しんで手伝いをしている様子が印象的でした」(中山さん)
・次回は、準大賞に選ばれた2作品をご紹介します(2月12日公開)。
〔創刊800号記念 家庭画報大賞展〕
栄えある受賞を果たした全10作品を展示する「家庭画報大賞展」を開催いたします。皆様のご来場をお待ちしております。
●会期
2025年2月19日(水)~3月4日(火)
●会場
日本橋三越本店 本館5階 ライトウェル特設会場
東京都中央区日本橋室町1-4-1
電話 03(3241)3311
営業時間:10時~19時
・入場無料