エンターテインメント

パリでも花開く坂口安吾×野田秀樹の世界。『贋作 桜の森の満開の下』

2018.09.19

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【連載】「今、この人に会いたい!」野田秀樹さん ※サイン入りチェキプレゼント! 秘蔵フォトギャラリーあり



『贋作 桜の森の満開の下』は、ヒダの匠の弟子・耳男と彼を翻弄する無邪気で残虐で美しい夜長姫を軸に、“幻のヒダ王国”を巡って描かれる人と鬼との壮大な物語だ。

今回の“会いたい人”は野田秀樹さん。先頃、代表作の一つ『贋作 桜の森の満開の下』が東京で幕を開けました。坂口安吾作品をベースに約30年前に書かれた本作品は、9月末からフランスの「ジャポニスム2018」の公式プログラムとしてパリの国立シャイヨー劇場で上演され、10月の大阪、北九州公演を経て、11月に再び東京で上演されます。自身を“安吾の生まれ変わり”と公言してきた野田さんに、作品の魅力や海外との関わりについてうかがいました!

――新たな演出で17年ぶりに甦った『贋作 桜の森の満開の下』。再演のきっかけは、パリ・国立シャイヨー劇場からのラブコールだったそうですね。



「そもそものきっかけは、国立シャイヨー劇場のディディエ・デシャンという芸術監督が、『THE BEE』English Versionのロンドン公演を観に来て、光栄にも“これをうちでも”と呼んでくれたことですね。アーティストを1度呼んだら、何作品か紹介するのがディディエの方針。次の『エッグ』の招聘公演(2015年)の頃には、“2018年のジャポニスムでも呼びたい”という打診がありました。それでいくつか候補を挙げた中から、ぜひこれをとリクエストされたのが、この『贋作 桜の森~』。お陰で、早いうちから準備を始められました」

――妻夫木聡さん、深津絵里さん、天海祐希さん、古田新太さんをはじめとする豪華キャストはもちろん、“見立て”を使った新しい演出も見事にハマっています。


「去年、歌舞伎化した時に様式的なことはやり切ったから、今回は演出をガラリと変えようと思って。まあ“見立て”も日本の伝統的な手法ではあるけどね。そういえば、扇子を見立てに使ってロンドンの役者と『THE DIVER』(能の『葵上』に題材をとった2008年初演の4人芝居)をつくった時に、俺が携帯電話に見立てて使った扇子で別のことをやろうとしたら、“それ、携帯電話だよ”と言われて(笑)。彼らは見立てについてかなり理解していたんだけれども、ついさっきそれとして使ったものを別のものに変えることがどこか気持ち悪いみたいで、結局その時は俺が折れて、別の扇子を使いました」

――国立シャイヨー劇場の観客は今回の“見立て”をどう受け取るでしょうね。前2作が大好評で、今回も大きな期待が寄せられていると聞いています。


「ロンドンのお客さん=まず“言葉を聴く”という印象があるんだけれども、シャイヨーはダンスを中心としたフィジカル系の作品を多く上演している劇場だから、お客さんもビジュアルから受け入れて動きを楽しんでくれているみたい。しかもストーリー性があるというところで、僕の作品は評判になっているのかなと思います。そういう意味では、自分の芝居は実はパリのほうが受け入れられやすかったのかもしれない。なんで最初にロンドンに行っちゃったんだろうね、今さらだけど(笑)」
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