インタビュー・レポート
2018/02/02
最初に脚本を読んだときは、「怖かったです。不穏な空気が全編に漂っていて。監督の手ですごく変化しそうな脚本だなと思いました」。
2014年の第18回文化庁メディア芸術祭優秀賞に選ばれたコミック『羊の木』が、映画『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞をダブル受賞した吉田大八監督により映画化されることに。過去に殺人を犯した元受刑者たちを新規転入者として受け入れる架空の町・魚深を舞台に描かれるヒューマン・サスペンス映画『羊の木』が誕生しました。
本作で魚深市の新住民となる元受刑者の一人・栗本清美を演じたのは、その独特の存在感で観る人を魅了する市川実日子さん。人見知りで無口、几帳面な清美について「脚本では、清美はどんなものと繋がっているのか。想像がつかない役でした」という市川さんに、撮影を終えた今、改めて清美という人物はどんな人だったと思うかと訪ねてみると、驚きの言葉が。
「一番最初に監督にお会いしたときに、“清美は人間から遠いところにいる存在。そういうふうに思っています”って言われたんです」
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撮影前から“清美”の存在を追いかけて© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.
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