エンターテインメント

歌舞伎界の若き獅子 市川團子さんが語る気づきの日々「毎日が思うようにはいかない」

2021.12.27

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歌舞伎界の若き獅子たち 第2回(全5回) 『風姿花伝』で世阿弥が「時分の花」という言葉で表わしたように若手歌舞伎俳優の彼らには、今、この瞬間だからこそ放つ美しさと輝きがある。彼らはそれぞれの個性が光る装いとともに、そのパッションと表現力、そして抱き続けている歌舞伎に対する深い愛を語ってくれた。前回の記事はこちら>>

第2回 市川團子さん


市川團子さんジャケット33万円 スカーフ3万3000円 Tシャツ4万7300円 パンツ14万3000円 ブーツ15万4000円/すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)市川團子(いちかわ・だんこ)
2004年1月16日生まれ。父は9代目市川中車、祖父は2代目市川猿翁。2012年11月、新橋演舞場にてスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』のワカタケル役で5代目市川團子を名乗り、初舞台。2013年10月、国立劇場『春興鏡獅子』の胡蝶の精で、国立劇場特別賞を受賞。

独自の視点による気づきの日々。
過渡期の真っ只中にいる期待の星


『三社祭』の幕が開いた瞬間、上手にいたその背中は、多くを語っていた。溢れ出る緊張感や高揚感。当時の気持ちを正確に伝えようと、自分の言葉を探しながら話してくれた。


「『三社祭』では、舞台の重みが染五郎くんと僕に50対50でのしかかってくるということを実感しました。これまでは猿之助さんたち先輩が盛り上げてくださっているところに出ていけばよかったので、気持ちいい状態で演じることができたんです。自分たちで舞台の雰囲気を作っていくというのは、僕にとって初めての経験です。2人が楽しく踊っているとお客さんものってきてくれますが、毎日が思うようにはいかない。僕がもっと稽古をして子どもの頃のように純粋でいられたら、自信もついて、その状態になれると思います」

市川團子さんセーター10万5000円 ハイネックトップス(参考商品) パンツ26万5000円 ブーツ15万9500円/すべてセリーヌ オム バイ エディ・スリマン(セリーヌ ジャパン)

先輩からの厳しい苦言にも気づきを得て、自分の経験を一切無駄にはしない。

「初日を迎える前の稽古で気づけていれば、実際に舞台に立ったときに気づくことも早まって、公演期間中の成長の余地も広がります。『連獅子』では猿之助さんから2人で踊るときには、相手への気遣いが必要だと教わりました。初日だと混乱するという配慮から、数日後に指摘してくださったんだと思います」

有望な新星が、本格的なスタートに立った。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/秦 淳司〈Cyaan〉 スタイリング/馬場郁雄 ヘア&メイク/森 智聖〈VRAI Inc.〉 構成・文/山下シオン
『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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