インタビュー・レポート

仲村トオルさんが舞台『終わりのない』に出演。壮大な物語で演じる役は…?

――原典は、トロイア戦争の英雄オデュッセウスの故郷への長い旅路を描いたホメロスの叙事詩『オデュッセイア』。それが本作品では、現在と未来を往還する若者の話になるとか?

「前川くんによると、現在の地球と、なぜか地球に住めなくなった未来の世界、そして人と神々が共生していた古代を舞台にストーリーが展開していくようです」

――宇宙と神々には通じるものがある気がします。人知を超えた存在という点で。

「それは、だいぶ前に前川くんも言っていました。地球を遠くから客観的に見られる宇宙へ行った人たちの中には、地球に帰ってきた後で宣教師や牧師になる人が結構多いと。遠くから地球を見ると、これが偶然でき上がったものとは到底思えないらしくて」

舞台『終わりのない』インタビュー
照れて笑った顔がなんとも優しい。低くソフトな声も魅力的。

――実際に宇宙から地球を見ると、水の球が浮いているようで奇跡のように美しいと聞いたことがあります。1度見てみたいものですよね。

「本当ですか? 僕は宇宙飛行士になりたいと思ったことがないんです。それこそ、子どもの頃に『ギリシャ神話』で、太陽に近づいたイカロスは、ロウの翼が溶けて落ちて死ぬという話を読んで、幼いながらに“空は人間の場所じゃない”と思ったからかもしれない。そういえば、スキューバダイビングをやっていた頃も、“この海の中で呼吸ができるのはおかしくないか?”って、ずっと違和感がありましたね。動物には動物の生きるべき場所があって、今も“海は魚に、空は鳥に任せて、人間は地に足つけて生きようよ”と思っているところがあります。僕にとって宇宙は、せいぜい地上から見上げてイメージする、遠くにあるものという感じです」

――前川さん脚本の舞台にすでに5本出演されています。前川作品の魅力をどう感じていますか?

「僕が最初に観たのは劇団イキウメ(前川さんが主宰する劇団)の『狂騒のユニオン』(2007年)。ある山奥の村に迷い込んだら、そこは自分の妄想が記憶に変わってしまう村で……という話で、その非日常と日常が共存している感じ、現実ではあり得ないのに、とてもリアルなものとして伝わってくるところに、すごく惹かれました。代表作『散歩する侵略者』もそうなんですが、前川作品の宇宙人は何かの形をしているわけじゃなく、人に憑依したり、人の概念を奪って支配したりする。SFとか超常現象を描いてはいるけれど、観終わった後に残るものはとても日常的というか、それこそ地に足をつけていながら“本当かもしれないな”と感じるようなことなんです。やはりその辺が魅力ですね」

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