フィギュアスケート

家庭画報3月号特別取材記念! 髙橋大輔選手のこぼれ話 その1


休憩中、にこやかに後輩たちと話していた髙橋選手でしたが、曲かけ練習が始まった瞬間、引き締まった表情に。この集中力はさすがです。ちなみに「曲かけをしてくれるのは、ほとんど田村岳斗先生です。岳斗先生は関西大学アイスリンクのCD番長なので(笑)。僕は、チームは別なので直接習ってはいませんが、濱田美栄先生ともども応援してくれています! 有難いです」撮影/平岩 享

 

ーー近畿選手権や西日本選手権で6分間練習に入る時なども、10歳以上年が離れた選手の皆さんたちと笑顔でお話しされていましたよね?

たあいもない話をしていました(笑)。西日本選手権のFS(フリースケーティング)で、細田采花選手と紀平梨花選手が3A(トリプルアクセル)を2本ずつ決めたじゃないですか。優(中村 優選手)と「まずいよ、俺たち。3Aもし失敗したら、あとでめちゃくちゃバカにされるよ!」と話していました。決められて本当に良かったです(笑)。

近畿選手権の時も年下の選手たちが、拍手してくれていたのも気がつきましたし、西日本選手権でも選手席から、「頑張れ!」と男性の声が聞こえてきました(笑)。応援してくれているんだな、と思って嬉しかったですね。

ーー髙橋選手が現役復帰されて、地方大会から出場されたことは、若い選手の皆さんに本当にいい刺激を与えているのでしょうね。

僕も、たくさんいい刺激を与えてもらっています!

ーー近畿選手権のSP(ショートプログラム)のとき、ご自分の演技が終わった後、リンクサイドに残って、中村 優選手の滑りをご覧になっていましたよね?

優はコーチは別ですが、同じ関西大学のリンクで一緒に練習もしていますしね。ライバルではありますが、頑張ってほしいという気持ちもあるので、あの練習がどういう演技につながるのか素直に見たかったんです。

ーー前の現役時代も他の選手の演技を見てらしたんですか?

いや、いい演技を見てしまうと緊張しちゃうから、ほとんど見なかったです(苦笑)。絶対見なかった。今は、「他の選手の演技も見たいな」と思うんですよね。やっぱり、勝たなきゃいけないというプレッシャーのようなものがないからですよね、きっと。素直に応援しながら見られるんです。前は「負けたくない!」という気持ちが強くて。まあ、今も勝ちたいんですけど、負けたくないというより、今は勝ちたい。それ、自分の中では似て非なるものなんです。だから負けてもいい、いや、良くはないんですけど(笑)、負けたくない!と思い過ぎると固くなっていい演技ができなくなってしまうので。みんなにも頑張ってほしい、そして勝てたら勝ちたい、という心境ですかね。


西日本選手権FS「Pale Green Ghosts」より。前半の3A-3回転トーループ、後半にも2本目となる3Aを決め、トップだったSP(ショートプログラム)に続き、FSでも161.11点、合計244.67点で優勝。キレを増したステップや音楽と一体化した演技に会場は大盛り上がり、拍手喝采でした。撮影/坂本正行(世界文化社 写真部)

フィギュアスケート以外の経験も数多く積んで競技の世界に戻ってきた髙橋選手。

競技だからこそ味わえる、勝ち負けの醍醐味もあるとは思いますが、今の髙橋選手は相手との勝負以上に、自分自身が理想として思い描く世界を「より深く、より美しく」表現し、到達することを追い求めているのではないかと感じました。そのうえで、「勝てたら勝ちたい」と。

ステップの切れ味は凄みを増し、表現する世界観はさらに深くなりつつも、後輩たちに見せる笑顔は優しい、頼れるアニキ。そして、1月30日〜2月2日まで行われていた第74回国民体育大会冬季大会・フィギュアスケート競技会において、中村 優選手が初優勝を飾りました! おめでとうございます。お互いにいい刺激を与え合って、スケーター皆でより一層の高みを目指していけるといいですよね。

次回の、こぼれ話もお楽しみに!

小松庸子/Yoko Komatsu

フリー編集者・ライター

世界文化社在籍時は『家庭画報』読み物&特別テーマ班副編集長としてフィギュアスケート特集などを担当。フリー転身後もフィギュアスケートや将棋、俳優、体操などのジャンルで、人物アプローチの特集を企画、取材している。【連載】フィギュアスケート愛(eye)を見る>>>>

 

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