インタビュー・レポート

原田知世さん、充実の今が詰まった新作アルバムを発売

原田知世さん

プロデュースとアレンジは、10年来の音楽パートナー、伊藤ゴロー氏。

「久々のオリジナルアルバムなので、新たな面も感じていただけるものにしたい」という原田さんの思いが、伊藤氏からの“ずっと生音でやってきたので、あえて打ち込みの音でやってみよう”という提案に合致し、ナチュラルな肌触りのものから、プログラミングを使ったものまで、変化に富んだ音作りが実現した。

詞の世界も実に多彩だ。原田さんが自ら作詞した2曲をはじめ、チャットモンチーの元メンバーで作家・作詞家として活躍している高橋久美子さんが、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフに書いた、ポップで胸躍る「銀河絵日記」や、歌や楽曲提供でも異彩を放つパーカッショニスト・角銅真実(かくどうまなみ)さんのアーティスティックな作品などなど。

各アーティストの個性とセンスが光る言葉たちが、原田さんの柔らかなのにどこか凜とした歌声と相まって、唯一無二の世界を創出している。

「『銀河絵日記』は、リード曲にふさわしい曲だなと感じています。同じく高橋さんが書いてくださった『2月の雲』も、歌っていてすごく楽しいんですよ。そして、何だか切ない。大人の世界観なのに胸がきゅんとなる高橋さんの詞、深いなあと思います」

ちなみに、伊藤氏は全10曲のうち9曲の作曲も担当。うち7曲は、曲先行で作られたのだそう。

「自分が曲からイメージしていたものとは、全く違う歌詞が届いて、そのセンスに感動したり、これをどういうふうに歌ったらいちばん伝えられるだろう?と考えたり。たくさん刺激をもらって、とてもいいコラボレーションができたと思っています。

私は私で、ゴローさんからもらった曲を何度も聴き込むうちに見えてきた景色や言葉からイメージを膨らませて、『Hello』と『夢の途中』の詞を書きました。

全曲をとおして、短編映画のサウンドトラック盤のような味わいも感じていただけたら」

その歌声を、あえて楽器の一つのように使った曲もあるこのアルバム。声域が広がったのでは?と尋ねると、「若い頃より低音が出るようになりました。細かった声質も少し膨らんだと思います」と嬉しそうに話す。

「自分のクリアすぎる声があまり好きではなくて、少し紗がかかったような声になりたいと、ずっと思いながら歌ってきました。年齢とともにそれに少しずつ近づいてきて、よかったなと思っています。

なかには、昔の声がよかったのにと思われるかたもいるかもしれませんが、私は昔できたことを今やる必要はないと思っています。

歌にしても、女優の仕事にしても、そのときにしかできないもの、できないことがある。今できることを大切に、やっていったらいいんじゃないかと感じています」

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