インタビュー・レポート

「夜のヒットスタジオ」「スター誕生!」芳村真理さん&都倉俊一さんが語る70年代歌謡界

都倉 百恵はデビュー曲が期待されていたほどにはヒットせず、実は苦しいスタートだったんです。酒井さんの言葉はそんなとき、周囲にいったものかもしれませんね。

彼女がトップアイドルになったのは、自分の確固たる世界、信念を持っていたからでしょう。信念がなかったら、人気絶頂のときに辞められません。

芳村 百恵ちゃんの引退前最後のテレビ出演はヒットスタジオだったのよね。あの日、番組が終わって、深夜に家の近くで車を降りたら、ふわーっと金木犀の香りがしたの。そのとき、幸せになるといいな、きっとなれる、と思いました。

それから、金木犀の香りをかぐたびに、百恵ちゃんを思い出すの。最後まで涙を見せずにちゃんと歌いきって、いい旅立ちをしてくれたなと思ってね。

都倉 内に強いものを秘めた百恵と明るくて華がある淳子、歌が抜群にうまい森 昌子。中三トリオとはよくいったものですよね。

芳村 トリオといえば、男性では「新御三家」ね。(西城)秀樹はいつもスタジオに入ってくるとまず、「真理さんこんばんは〜」ってハグしてきてね。明るくてみんなに気を配って、新人にも「大丈夫か」と声をかけたりして。

(野口)五郎ちゃんは三人のなかで断トツに音楽をやっていたから、デビューしたときから歌がうまかった。

(郷)ひろみちゃんはマイペースでわが道をいくタイプ。それぞれの個性にぴったり合う歌を都倉さんたちが作って、大ヒットさせていましたね。

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